2023 Fiscal Year Research-status Report
当事者・市民の視点を反映した高齢者施設における緩和ケア教育プログラムの開発
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22K21107
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯田 貴映子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (00466723)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 緩和ケア / エンドオブライフケア / 高齢者 / 長期ケア施設 / 当事者 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口の高齢化は日本はじめアジア諸国においても喫緊の課題であり、高齢者の介護の担い手は家族から社会へと移るなか、高齢者の介護の場ひいては死の場にも変化が生じている。高齢者長期ケア施設(以下施設)で最期を迎える高齢者は増加傾向にあり、質の高い緩和・エンドオブライフ(EOL)ケアの提供が期待される中、その実施状況やケアの質は施設間で大きな格差がある。今後、国内外を問わず高齢者施設における緩和・EOLケアの需要の高まりが予測されるが、各国の施設におけるケア提供体制やそれを支える政策、職員の教育背景外において教育的介入が行われてきたが、教育内容やその効果検証における課題は多い。本研究の目的は、欧州で開発された緩和・EOLケアの質向上を目指すプログラムの日本における実装に向けた取り組みの一環として、施設入居者や家族のEOLケアの経験を探索するとともに、当事者や市民からの知見を集約し、ともにプログラムを検討することで日本の高齢者ケアや利用者の文化に即した内容へと精錬させ、実装と定着のための基盤資料とすることである。手順として、2021年度までに実施した本プログラムの和訳と文化的適応、施設の緩和・EOLケアの現状に関するエキスパートへの調査と施設職員への質的調査をふまえ、①施設入居者と家族、遺族の視点からの施設におけるEOLケアの経験知の構造化②高齢者や市民、施設関係者からの施設におけるEOLケアや教育プログラムへの知見の集約、③①と②の知見を整理しプログラムを精錬、④プログラムの導入と効果の検証研究に向けたプロトコルの作成、をおこなう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、当事者や市民の視点から、高齢者施設における緩和・EOLケアへの認識や期待することを明らかにし、プログラムの精錬と効果検証研究に向けたプロトコルの作成を予定していたが、前年度からのインタビュー調査の遅れとワークショップの準備や対象の選定に時間を要し、ワークショップの実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、市民、専門職、ボランティア、教育研究者等を含めたワークショップの開催による課題の明確化と、プログラムの精錬を行う。また、介入研究のためのプロトコルの作成に取り組み、翌年度以降の実施に向けた準備をおこなう。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れたため、差額が生じた。2024年度は差額を用いて残りの研究計画を遂行する予定である。
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