2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Oral Care Protocol for COVID-19 Positive Elderly Patients During Prone Therapy
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22K21125
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
板橋 みずほ 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40963799)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔細菌叢 / 要介護高齢者 / 口腔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度として調査施設の医師に協力を仰ぎ、対象患者のリクルートを試みた。本研究は「腹臥位療法を受ける要介護COVID-19患者に対する、口腔細菌叢のバランスコントロールを見据えた口腔ケア」の開発を目的とした調査研究であったが、先行研究のレビューを重ねるとそもそも、要介護高齢者に対する口腔ケアと口腔細菌叢との関連が未解明であると判明した。また、調査施設は本研究と類似した、外部の看護研究者による病棟での調査研究は受け入れ経験がなく、関係構築に加え調査フローの確立が必要であった。以上のことより、研究の目的を「口腔ケアを受ける要介護高齢者の口腔細菌叢調査」と対象範囲を変更し、パイロットスタディで今後の研究への示唆を得、調査における課題を洗い出すこととした。 研究の成果として、サンプル採取時間検討のための午前午後で口腔細菌叢を群間比較した健常人プレテスト(n=2)、入院から3日以内の初回と、1週間後とで群間比較した本試験(n=7)を実施した。プレテストでは午前午後では口腔細菌叢の多様性を示すα多様性に統計的に有意な差がなかったため、患者に対しては任意の時間帯で、口腔ケアまたは食事から約2時間後の調査とした。本試験では口腔ケアの影響を受ける前の入院から3日間の初回と、口腔ケアを受けた介入後の1週間後とで群間比較を行い、α多様性に統計的有意な差が示された(p = 0.008)。α多様性を示す指標であるChao indexは、入院から3日間の初回では中央値が250、1週間後は中央値が125であり、入院後口腔細菌叢の多様性は低下した。一般的に多様性が低下するほど細菌叢のバランスが異常と捉えるため、今後は口腔状態の観察データとの関連についての解析や対象者背景の違いによる要因があるか探索する。
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