2023 Fiscal Year Research-status Report
剖検所見としての大血管内膜染色の定量評価とその法医病理学的意義の探索
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22K21129
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森岡 郁哉 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80965616)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 法医学 / 血管内膜 / 病理学 / 凍結切片 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度内では、当教室にて施行された数十にわたる比較的新鮮な解剖事例を通じて、多数の大血管内膜試料を採取できた。その一方で、腐敗進行例における血管試料の採取は滞っているため、腐敗症例の試料採取が次年度以降の課題と考えている。大血管標本の保管条件(純水や水道水、生理食塩水、ホルマリンなどの液体中での試料保存、もしくは常温・冷蔵・冷凍保存など)を変更し、試料の色素染着の変化を観察・検討した。さらに、病理組織標本の作成方法を模索するべく、実際にホルマリン保存下の通常HE(ヘマトキシリン・エオジン)切片や、各種特殊染色、凍結切片を作成して検討した。その結果、研究目的となる血管内膜の病理組織学的観察手段として、凍結切片の利用が望ましいと考え、次年度は凍結標本の作成を軸に研究を進める方針とした。病理学的観察の手段として、昨年度より病理標本分析ソフトウェアの使用を考慮していたが、適切な技量を獲得するのに未だ期間を要することから、まずは目視でのアナログな手法を用いて解析データの入手を進めている。同ソフトウェアの適用については、次年度以降に検討する。本年度は、研究活動以外の通常業務の負担などが突発し、全体として試料採取をはじめとした研究の進捗に遅延が生じているが、次年度以降も解剖症例を通じて大血管試料を追加採取し、標本作成にも本格的に取り掛かかることで、データ数を蓄積し、データベースを完成させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度に、実務面での負担が増大し、さらに流行感染症の罹患およびその後遺症の影響も相まったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、解剖症例における試料採取を継続する。 採取後の試料は、凍結切片で保存し、外注も活用して病理標本作成の充実を速やかに行う。
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Causes of Carryover |
上記の通り、研究の進捗に遅延が生じたためにさらなる病理組織標本の作成が必要になったことや、新たな色調測定法を模索することのため、次年度使用額が生じた。次年度は本年度と同様の病理標本作成費用や、色調測定物品費購入および対外的な情報収集活動等に研究費を使用する予定である。
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