2023 Fiscal Year Annual Research Report
行動変容理論を活用した介入による看護師の脱水予防方法の検証
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22K21155
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
加瀬 竜太郎 上智大学, 総合人間科学部, 助手 (20963078)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 脱水 / 看護師 / 水分摂取 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
脱水は軽度であっても心身に悪影響を及ぼし、認知機能の低下によるミスの増加を生じさせるため、予防することが看護師の健康の維持のみならず、患者に提供される看護の質を維持するために重要であると考えられる。 本研究では、看護師の水分摂取行動の変容を目指して、看護師の認識として、勤務中の水分摂取行動および脱水について明らかにしたうえで、水分摂取行動が変容する介入を行い、その効果を検証することを目的とした。 看護師の認識調査として、1都6県における50床以上の691病院を対象としてアンケートを実施し、246病院4034名よりアンケートの回答が得られた。看護師が自覚する脱水の割合は勤務時間が経過するに連れて増加した。また、自覚する脱水の程度も、重症化すると考える看護師が勤務時間の経過とともに多くなることが明らかになった。勤務中に水分摂取が困難な理由および勤務中の水分摂取が可能となる方法として、看護師から複数の内容が挙げられた。 看護師の認識調査の結果を踏まえたうえで、水分摂取行動の変容を目指して4病棟56名の看護師を対象にクラスターランダム化比較試験を実施した。ウォーターサーバーの提供および水分摂取がしやすい環境改善を実施した介入群は、非介入群と比較して水分摂取行動が改善し、水分摂取量および水分摂取回数が有意に増加した。したがって、水分摂取が困難な理由を改善できる介入を実施することで水分摂取行動が変容することが明らかになった。
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