2022 Fiscal Year Research-status Report
都市在住高齢者におけるフレイルの発生、進行、多面性に対するポリファーマシーの影響
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22K21165
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
大丸 香 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60968527)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | フレイル / ポリファーマシー / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイルとは、加齢に伴い、ストレスに対する予備能力が低下した状態で、機能障害をきたす要介護の前段階の状態である。また、身体的な面だけではなく、うつや認知機能、社会的孤立など、精神的、社会的な健康問題も含む。しかし、適切な介入により健常状態に戻る。一方、高齢期は複数の慢性疾患を抱え、その治療のために複数の薬物治療が継続し、ポリファーマシー(多剤併用)の状態になることが多い。ポリファーマシーはフレイルの発症や進行の危険因子と考えられているが、フレイルの多面的な健康問題との関連に着目した研究は少ない。本研究では、わが国の都市在住高齢者を対象に、薬剤の数や作用の違いと、フレイルの発生や進行、多面性(身体・精神・社会機能)がどのように関連するか、フレイルと薬剤の関係を総合的に検討する。 使用する薬剤データは、所属機関が行う老年医学健診に参加した高齢者から収集した薬手帳の情報である。現在、解析のための電子化作業を進めている。しかし、薬手帳に貼付されている薬剤情報の記載形式が統一されていないため、当初の想定より、内容確認や入力作業に時間を要している。本データベースの完成後、研究対象者の使用薬剤数や薬理作用別の分類を行い、フレイルの発生、進行、多面性に対する薬剤の影響を分析する。 現在、上記とは別の、都市部在住高齢者の薬剤数のデータを用いて、ポリファーマシーとフレイルの重症度(健常、フレイル予備軍、フレイル)の関係を検討し、結果を6月に開催されるIAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤情報の電子化作業を外部に委託しているが、当初の想定より作業に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤情報の電子化が6月までに完了見込みである。その間、解析計画を詳細に定め、薬剤情報データベースが完成し次第、解析に着手できるようにする。
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Causes of Carryover |
次年度は、薬剤情報の電子化完成の業務委託費、学会発表関連の旅費、参加費、論文作成関連費用等の計上を予定している。
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[Presentation] Association of polypharmacy with the severity of frailty in community-dwelling older adults: Itabashi Longitudinal Study on Aging2023
Author(s)
Daimaru K, Osuka Y, Kojima N, Mizukami K, Motokawa K, Iwasaki M, Inagaki H, Miyamae F, Okamura T, Hirano H, Awata S, Sasai H
Organizer
IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023
Int'l Joint Research