2022 Fiscal Year Research-status Report
緩和ケア領域における看護記録の感情分析手法の検討と臨床アウトカムとの関連
Project/Area Number |
22K21167
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
升川 研人 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50964681)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 緩和ケア / 自然言語処理 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
感情スコアは、どの程度ポジティブかネガティブかのように文章の感情表現を数値化したものである。近年、看護記録の感情スコアと臨床アウトカムとの関連が報告され、重要な予測因子/アセスメント項目として注目されている。しかし、緩和ケア領域での活用はなく、緩和ケアの臨床アウトカム(がん患者の予後、せん妄発生、QOL)との関連は明らかではない。 本研究では、緩和ケア領域における看護記録に対する感情分析(記録から感情スコアを算出する)の最適な手法を検討する。その上で、看護記録内容の感情スコアと緩和ケアの臨床アウトカムとの関連を明らかにする。本研究により、緩和ケア領域の感情分析手法を確立し、看護記録内容から緩和ケアの臨床アウトカムを推定するアセスメントシステムの開発につながると期待される。 初年度では、再度関連研究のレビューを行なった。その結果、1)ソーシャルメディアや診療記録の感情スコアと臨床アウトカム関連があること、2)ソーシャルメディアから特定の疾患に対する国民の世論を抽出/可視化する際に感情スコアが有用であることがわかった。加えて、辞書ベースの感情分析技術の実施可能性を検討し、実装可能であることを確認した。 次年度は、既存の電子カルテデータを二次利用して緩和ケア領域の医療言語に対する感情分析手法の性能を評価するとともに、QOLなどの臨床アウトカムとの関連を評価し、論文化を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再度のレビューを行い、感情分析手法の実施可能性に関しても確認することができた。電子カルテデータを再度収集する予定であったが、システムと個人情報の保護の観点から自動収集が難しく収集できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
電子カルテデータに関して、研究で使用した電子カルテデータを二次利用することとした。当初の計画通り、感情分析手法の性能評価と臨床アウトカムとの関連を探索する。
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Causes of Carryover |
電子カルテデータの収集を取りやめたことと、コロナの影響でパソコン購入を次年度に延期したため。次年度は人件費、パソコン購入で使用する予定である。
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