2022 Fiscal Year Research-status Report
Effectiveness of virtual reality-guided balance training for patients with cervical myelopathy
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22K21168
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
本田 哲 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10843253)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 頚椎症性脊髄症 / virtual reality / 運動機能 / performance test |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、手術が必要な頚椎症性脊髄症患者(箸が不自由、ボタンかけが不自由などの手の使いづらさや、小走りができない、階段昇降が困難などの歩行障害を有する患者)に対して、近年医療分野で注目されている「Virtual Reality(仮想現実)」の技術を利用し、術前後の運動能力を評価し、VRが運動能力の評価や術後のアウトカムに及ぼす効果を検討することである。脊髄症患者においては、術前の運動機能の評価および術後の機能改善の評価が重要であり、術後の運動機能障害の残存が課題でもある。VR技術を使用したリハビリは、仮想現実においての行動を自分の実際の四肢の運動と連動させることができることで医療界でも注目を集めており、体感バランスの向上やdual task(2重課題)を課すことで処理能力分野を刺激し、運動機能の向上が見込めると考える。評価項目は従来評価法である理学所見およびに加え、Performance test(30m歩行テスト、10秒足踏みテスト、3点ステップテスト)によって歩行能力も評価する。介入群では、術後従来のリハビリに加え、VRを用いたリハビリを週5回、1回20分行う。退院後は術後3ヶ月、6ヶ月、1年時点での運動機能を評価する。術後入院中の短期間の介入のみで効果が示されれば期待以上の結果となるが、頚椎症性脊髄症患者においては退院後の継続的なリハビリは重要であり、将来的には家庭でゲーム感覚で継続して行うことができる可能性を秘めており、頚椎症性脊髄症患者における新たなリハビリテーション構築の一助となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では既存の医療用VRリハビリテーション機器を使用する予定となっていたが、各種機器のヒアリング、情報収集を行い、非常に高額であり今回の支援額ではまかなえないことが問題点として浮上した。また、非常に高額であった場合には研究結果のimplicationとして汎用性が高くない点も問題点であると判断し、退院後も継続して続けられる汎用性の高いVR機器での研究も並行して行うこととしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに既存の医療用VRリハビリテーションソフトを導入している施設と連携を図り、適応を脊髄症に広げ、定量的評価を図る。また、並行して汎用性の高い安価なVR機器およびソフトを選定し購入し、被験者を増やし、術前・術後の運動機能の評価および改善効果につきフォローアップを行なっていく。
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Causes of Carryover |
当初医療用VR機械を使用する予定であったが、高額であるという問題点が浮上した。そのため複数施設での使用は断念し、すでに医療用VR機器を使用している施設と連携を図ることで研究を遂行する方針とした。そのため、本年度物品購入費が発生しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は、今年度の残額+次年度の交付額で、より汎用性の高い安価なVR機械およびリハビリテーションソフトを購入予定である。
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