2022 Fiscal Year Research-status Report
特定健診の受診集団を対象とした電子的患者報告アウトカム(ePRO)の開発
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22K21175
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
矢野 浩史 長崎大学, 病院(医学系), 事務職員 (90874652)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ePRO / 特定健診 / EQ-5D-5L / 患者報告アウトカム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はこれまで主として紙で用いられてきた患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome: 以後PRO)をインターネットを使った電子的患者報告アウトカムePRO(electronicPRO)アプリを開発し、メタボリックシンドロームや骨粗鬆症などのリスクが高い40歳以上が対象となる特定健診の受診集団を対象にePROを使って情報収集を行い、有効性、効率性、満足度から中高年以上を対象としたePRO導入の課題と実現可能性を評価することである。 2022年度はePROアプリの開発と長崎大学病院内でのパイロット版の試験運用を目標とした。まず収集する項目を検討し、これまでにPROとして収集実績のあるEQ5D-5L、およびシステムの使いやすさを評価する指標(System Usability Scale,SUS)を選定した。さらにこれらを収集できるePROの開発を長崎大学病院が運用するREDCap上で行った。また個人情報保護に配慮し、研究対象者のメールアドレスはREDCapとは別のサーバに保管することとした。 並行して2023年1月に長崎県五島市の集団検診を見学したが、その際、想定以上に時間がかかり人員が必要であることを確認した。 そこでパイロット研究を一般人のボランティア健常者5名を使ったテストから、長崎市内の医療機関を研究協力機関として同機関で特定健診を受診者24名を研究対象者として行うことに変更した。研究対象者24名はSUSの有用性の目安とされる70点を閾値とし、期待値を80点、標準誤差を15、片側有意水準5%、検出力を80%とすると、必要な症例数は14であり、4割程度の脱落を見越し、算出した。2023年4月に倫理審査委員会に申請し、5月以降にパイロット研究を開始予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」の通り、2023年1月に長崎県五島市の集団検診を見学したが、その際、想定以上に時間がかかり人員が必要であることを確認した。 そこでパイロット研究を一般人のボランティア健常者5名を使ったテストから、長崎市内の医療機関を研究協力機関として同機関で特定健診を受診者24名を研究対象者として行うことに変更し、準備をしている。 パイロット研究の研究対象者を院内健常者のボランティアではなく研究協力機関の特定健診受診者に変更したため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年4月に倫理審査委員会にて研究審査予定。実施許可を得た後、各研究協力機関でパイロット研究を開始する。 症例登録期間を2023年8月31日まで、観察期間を11月30日までを予定し、その後、統計解析を行い、2023年度内の論文化を目標する。
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Causes of Carryover |
書籍購入費等が計画変更などにより手配が間に合わず予定より少なかったため。 書籍購入はアプリ開発、改善、論文投稿などに必要であり、翌年度に必要なものを購入する予定である。
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