2022 Fiscal Year Research-status Report
One-Carbon代謝栄養素の大腸がんに対する影響の解明:分子病理疫学研究
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22K21193
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中野 詩織 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (10963712)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸がん / One-Carbon代謝 / 分子病理疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大腸腫瘍組織を解析して、One-Carbon代謝の2つの発がん機構である、遺伝子の変異とメチル化増加を主原因とするがんに分類する分子サブタイプを同定し、分子サブタイプ別の大腸がんごとに、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、メチオニンの摂取との関連を分析する。そして、One-Carbon代謝の2つの発がん機構の影響を分けて検討することで、One-Carbon代謝栄養素の摂取と大腸がんの真の関連を解明することを目的としている。 2年計画の1年目である本年は、コホート研究において収集した約500症例の大腸腫瘍組織において、免疫組織染色により、TP53蛋白の発現と、ターゲットシークエンス解析により、BRAF変異の評価を行った。TP53蛋白に対する免疫組織染色では、陽性細胞が20%以上を占める組織を陽性と定義したとき、約50%の大腸腫瘍組織が、陽性であった。一方、BRAF変異解析では、約5%の大腸腫瘍組織において、変異が認められた。 これまでに、国内およびアジア地域において、地域住民を対象としたコホート研究において、大腸腫瘍組織を収集し、TP53蛋白陽性やBRAF変異を評価した研究はなく、今回得られた陽性または変異の割合は、アジア人にとって、貴重なデータである。今後は、得られた結果を用いて、TP53蛋白陽性大腸がんを遺伝子変異が蓄積した大腸がんとして、BRAF変異型大腸がんを、メチル化が増加している大腸がんとして、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、メチオニンの摂取との関連を分析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸腫瘍組織の解析が完了し、研究実施計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究実施計画に則り、研究を推進する。コホート研究の食物摂取頻度調査票から推定した、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取量と、同定した分子サブタイプごとの大腸がん罹患リスクとの関連を多変量COX回帰分析により検討する。得られた結果を論文にまとめて、国際誌に投稿する。また学会で成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
実験委託費がかからなかったため、使用額が予定より少なくなり、次年度使用額に計上した。代わりに次年度に解析のためのコンピュータを購入する予定である。
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