2022 Fiscal Year Research-status Report
毛髪内ステロイドイメージングによる疾患予測アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22K21203
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 篤 金沢大学, 融合科学系, 博士研究員 (00623654)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
ステロイドホルモンは、疾病および精神的な健康との関係が深く、高血圧、糖尿病、肥満といった生活習慣病の発症や病態の増悪に関与している。性ホルモンもステロイドホルモンの一種である。 我々の研究グループは、血清中の20種類のステロイドを同時に定量する方法を開発した(Yamakawa M, Karashima S, Hashimoto A, Osaka I, et al. IJMS. 2022.)。従来の報告では、毛髪定量の前処理は、18 時間以上のの処理を要したが、本法では2 時間で終えることができ、かつ、毛髪1本より4つの古典的なステロイドの同定および定量が可能であった。 また、ステロイドの直接高感度局在分析法として、金属薄膜表面支援レーザー脱離イオン化(MF-SALDI)質量分析イメージング法(MSI)を独自に開発している(JCM. 2022)。この手法をベースに、いくつかの新たな工夫を実践した。例えば、光学顕微鏡と特殊な医療用メスを用い毛髪を0.04 mm の厚さに縦断スライスし、特殊な前抽出方法と誘導体試薬を使用することで、化合物の感度を2~40倍にまで増大することに成功した。結果、複数のステロイド代謝物の毛髪中局在イメージングが可能となった。さらに、局在イメージング画像に対して、アンターゲット手法を用いて解析したところ、従来、毛髪中に存在を報告されていなかった特定のステロイド化合物が、古典的なステロイドと同等以上に存在することが判明した。このステロイドの存在量は、性差によって異なり、性ホルモンに関連すると考えられ、その病態的な意義や疾患バイオマーカーとしての意義についても検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究では、毛髪中のステロイド代謝物の定量と局在イメージング法を確立することが目的である。現在のところ、4種類に毛髪中ステロイドの定量と、1種類のステロイド様構造物の局在イメージング法が確立しておりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
多くのステロイドが定性、定量できるように前抽出条件を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度内に質量分析計に用いる標準物質や試薬などが、消耗し新しい試薬の購入するために予算が計上されていたが、年度内に消費しきることはなかったため、物品費として使用されなかった。来年度以降にも消耗品を使用するため、次年度以降の予定通り物品費として執行が予定される。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Comprehensive Steroid Assay with Non-Targeted Analysis Using Liquid Chromatography Ion Mobility Mass Spectrometry2022
Author(s)
Yamakawa M, Karashima S, Takata R, Haba T, Kuroiwa K, Touyama H, Hashimoto A, Konishi S, Aono D, Kometani M, Nambo H, Yoneda T, Osaka I.
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Journal Title
Int J Mol Sci.
Volume: 23
Pages: 13858
DOI
Peer Reviewed / Open Access