2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病サイトカインストームモデルの構築および病態重症化を抑制しうる食品因子の探索
Project/Area Number |
22K21204
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石山 詩織 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30964811)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | MEMマウス / 糖尿病-感染症 / サイトカインストーム / 胚環境操作モデル / DOHaD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)感染による急性炎症は、サイトカインストームを介して炎症性合併症を悪化させるか、2)日本食食品因子(大麦、EPA)は、糖尿病-感染性サイトカインストームによる炎症性合併症の悪化を抑制するかについて、胚環境操作モデルMEMマウスを用いて研究を行うものである。現段階では、大麦およびEPA投与による実験を進めており、MEMマウス・対照KSOMマウスの作製および飼育やサンプル採取がEPA投与実験は終了しており、おおむね順調に進んでいるが、大麦投与実験においては飼育を継続している。現在は回収できたサンプルの解析に当たっており、切片染色やmRNA発現解析などを進めている。現段階で得られた知見としては、EPA投与後におけるLPS投与実験では、1)感染による急性炎症は、サイトカインストームを介して炎症性合併症を悪化させるか、2)日本食食品因子(大麦、EPA)は、糖尿病-感染性サイトカインストームによる炎症性合併症の悪化を抑制するかについて、1)ではMEMマウスのLPS投与後48時間以内の死亡率が高かったことや、2)ではEPAを投与されたMEMマウスにおけるLPS投与後48時間以内の死亡率は0であり、投与後24時間以内で見られた病変も48時間経過では回復していることが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス飼育施設の温度調整の不具合により、年度内の飼育・サンプル回収には至らなかったものの、翌4月の初旬には一部飼育を終えてサンプル採取が完了しており、極端な遅れにはつながっていない。また、EPA投与後におけるLPS投与実験が完了し、すでにLPS投与による死亡率や病変率についてはEPA投与による改善効果が観察されており、サンプル解析も始まっていることから、全体を総合するとおおむね順調に進展したものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス作製・飼育およびサンプル採取が多少遅れをとっているものの、研究計画は当初とかけ離れたものになっていないため、引き続き、計画通り進めていく予定である。現在飼育を継続している大麦投与実験も、5月中にサンプル回収予定であるため、EPA投与実験の解析を進めながら、大麦投与実験が終了後、まずは切片染色による臓器障害を中心に、速やかに解析へ進めていく。さらに、臓器障害に伴う炎症反応の増幅についてmRNA発現等で同時並行にて確認していく。
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Causes of Carryover |
マウス作製および飼育が当初の計画より遅れたため、その分出張や解析に使用する予算が繰り越しとなったため。
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