2022 Fiscal Year Research-status Report
下肢筋力低下の検出と足底感覚強化によりフレイルを予防するスマートインソールの開発
Project/Area Number |
22K21205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山賀 崇 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00963620)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | スマートインソール / サルコペニア / ロコモティブシンドローム / 変形性膝関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高齢者の健康寿命を延ばすことを目指したスマートインソールを開発する。このインソールでは足底内圧や足趾屈曲力を動的に計測し,全身の筋肉量の低下が進行したサルコペニアやロコモティブシンドロームの前段階の早期検出を目指す。またインソールには豊田合成株式会社が作成したeRubberアクチュエーターを装着し,本来足底で受けるべき応力を増強し触覚を賦活する足底感覚強化の機能を含める。この感覚強化により下肢筋力維持の刺激や姿勢や重心の偏移を矯正することを目指す。これらの特徴を有するインソールの装着を将来的には日常的にはいてもらうことで,高齢者の歩行能力の低下や転倒を予防し,健康寿命の延伸を目指すツールとしたい。あるいは、健康診断などで、一時的に施設内で着用することにより、変形性膝関節症や腰部脊柱管狭窄症など将来のサルコペニアにつながる基礎疾患の早期発見のきっかけとなる可能性がある。本研究ではインソールによる,病状検出と足底感覚強化についての検証を中心に行う計画としている。 現時点では、健常人、変形性膝関節症患者、膝前十字靭帯損傷患者、アキレス腱断裂術後患者など各疾患あるいは、健常ボランティアに対して、膝・腰の疼痛などの自覚症状を問診し、特有のインソールの波形を解析し、AIで学習、疾病ごとの特徴量を解析している。 スマートインソールにより安定した波形の測定が可能となった。今後はアクチュエーター機能による測定感覚の増強に関する検証を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、健常ボランティア、各疾患患者とも計測を行えており、波形を解析できている。
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Strategy for Future Research Activity |
各疾患ごとの計測患者をさらに増やし、AIの学習精度をより向上させる。具体的には、各疾患275人程度の計測を目標にしている。また、今後、アクチュエーターを装着したインソールにより、測定の触角を賦活し、測定感覚の強化も目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、新城市での現地での活動が減少したため、予算を2023年度に持ち越した。2023年度は新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しつつ、現地での活動を増やす予定である。
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