2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishing an assessment for physical fatigue in athletes using salivary human herpesviruses
Project/Area Number |
22K21226
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
玉井 伸典 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (20963903)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | アスリート / コンディション / 疲労 / 唾液 / ヒトヘルペスウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
日々のトレーニングに伴う身体疲労はアスリートの競技パフォーマンスを低下させる主要因であるため、スポーツ現場でも実用的な評価法の確立が求められる。近年では簡便かつ非侵襲的に採取可能な唾液検体の有用性が認められており、唾液中に含まれるバイオマーカーを測定することで疲労を客観的に評価する試みがなされている。特に唾液中ヒトヘルペスウイルス(HHV)は、感染が成立すると生涯に渡って潜伏し、宿主が疲労状態になると再活性化して唾液中に放出される性質を持つことから新たな微生物学的指標として注目されている。スポーツ医・科学分野においてもいくつかの研究によって唾液中HHVがアスリートの身体疲労評価に応用できる可能性が示されているが、まだ基礎的な知見に乏しいのが現状である。また、将来的にスポーツ現場で活用するためには、精度の高い測定結果を素早くフィードバックすることが求められる。そこで本研究では、スポーツ現場への実用化を視野に入れ、唾液中HHVの効率的な測定方法の確立(課題①)および身体疲労に対する感度・特異度の検討(課題②)に取り組むことを計画している。 2022年度は課題①に着手した。唾液中HHV測定の精度には測定に用いる核酸サンプルの質が大きく影響するため、唾液採取から核酸抽出までの過程でいかに高濃度・高純度の核酸を短時間で抽出できるかが要点となる。本課題における具体的な取り組みとして、先行研究や予備実験の結果を参考に最適と考えられる唾液採取法(流涎法や綿花法など)および核酸抽出法(カラム法や磁気ビーズ法など)をいくつか選出し、唾液中HHV測定において最も効率が高い組み合わせの検討を進めてきた。本実験に必要な唾液検体の採取は完了しており、2023年度前半には課題①の実験を完遂する予定である。また、課題②は既に研究倫理委員会の承認を得ており、実験体制を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では2022年度のうちに課題①の実験を完了する予定であったが、想定していたよりも研究対象者の募集に時間を要したため遅れが生じた。実験は未完了だが、実験に必要な唾液検体は採取できたため「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題①の進行は当初の計画よりも遅れているが、研究対象者との日程調整が必要な唾液採取の工程は終えているため、2023年度6月頃までに実験を完了させて順次研究成果を発表する予定である。 課題②は2023年度の実施に備えて既に研究倫理委員会による承認を受けているため、7月頃までに予備実験や研究対象者の募集を行い、8月頃から本実験を開始する見込みである。
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Causes of Carryover |
凡そ計画通り予算を執行したが端数の調整が難しく、結果として次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)