2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishing an assessment for physical fatigue in athletes using salivary human herpesviruses
Project/Area Number |
22K21226
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
玉井 伸典 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (20963903)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | アスリート / コンディション / 疲労 / 評価 / 唾液 / ヒトヘルペスウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液中ヒトヘルペスウイルス(HHV)を指標とした身体疲労評価法をスポーツ現場で実用化することを目標とし、本研究では効率的な測定方法の確立(課題①)および身体疲労に対する感度・特異度の検討(課題②)に取り組んだ。 課題①:唾液中HHV測定の精度・効率を向上させるため、いかに短時間で高濃度・高純度のDNAサンプルを抽出するかに焦点を当てた。健常成人男性15名・女性15名を対象とし、先行研究を参考に選出した唾液採取法3パターンと核酸抽出法2パターンを掛け合わせた計6パターンでDNAサンプルを抽出した。DNA濃度・純度や唾液中HHVの検出率、測定誤差等を比較した結果、流涎法で唾液を採取して磁気ビーズ法で核酸を抽出する方法が現状で最も精度・効率よく唾液中HHVを測定できると考えられた。 課題②:唾液中HHV濃度がどの程度の身体的負荷によって変動するのか、また精神的負荷によっても変動するのかを調査した。健常成人男性8名を対象とし、高・中・低強度運動負荷ならびに暗算負荷、無負荷の5条件をそれぞれ15分×2回実施した。その結果、唾液中HHV濃度は高・中・低強度運動負荷条件のみで上昇し、暗算負荷と無負荷条件では変化がみられなかった。従って、唾液中HHVは身体疲労評価において感度・特異度ともに高い指標である可能性が示唆された。 以上のように、唾液中HHVの効率的な測定方法を確立し、実際に取得したデータの解釈に不可欠な身体疲労に対する感度・特異度も検討できたことから、本研究の目標は達成できたと考える。本研究で得られた成果は学会や論文等で順次発表する。今後の研究では唾液中HHVを用い、スポーツ現場で実践されているリカバリー方法の有効性の検討に着手する予定である。
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Research Products
(1 results)