2023 Fiscal Year Research-status Report
Effect of acute intermittent hypoxia and hypercapnia on lower limb motor function
Project/Area Number |
22K21227
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
波多野 慶 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (70963924)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 低酸素 / 高二酸化炭素 / 筋力 / 脊髄運動ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究の報告から、動脈血の酸素濃度の低下や二酸化炭素濃度の上昇は、体肢筋を支配する脊髄運動ニューロンの興奮性を増大させる可能性がある。本研究では、吸気の酸素濃度や二酸化炭素濃度を変化させる呼吸介入が、神経性の要因を介して随意的な筋力発揮に及ぼす影響を明らかとすることを目的としている。 本研究で用いる呼吸介入は、短時間の低酸素曝露の繰り返しと短時間の高二酸化炭素曝露の繰り返しの二条件と計画されていた。それぞれの呼吸介入は、先行研究の検討に基づき、低酸素ガス吸入と外部死腔付加による二酸化炭素再呼吸法によって行う。呼吸介入の前後で測定される検討項目は、1)随意的な最大足関節底屈力、2)随意的な最大下の足関節底屈力の安定性、3)電気刺激によるヒラメ筋の反応が計画されていた。1)および2)の筋力は随意的な運動出力の指標である。3)では、ヒラメ筋のH波およびF波を脊髄運動ニューロンの興奮性を反映する神経筋活動の指標である。 本研究は、呼吸介入が脊髄の神経活動への影響を介して、運動機能を改善する可能性を探るものである。本研究で運動機能に対する呼吸介入の影響が明らかとなれば、リハビリテーションやスポーツトレーニングの場における応用へ繋がることが期待される。 今年度は、昨年度につづき実験実施のための所属機関内の手続きと予備実験の実施を進めた。しかしながら、侵襲性の問題から呼吸介入に関する実験方法の再検討の必要性があり、本研究の完了に至ることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
低酸素曝露による侵襲性が被験者の健康を害するという観点から実験方法を再検討する必要が生じたことが要因である。 また、所属機関の業務増加により十分なエフォートを当てられなかったことも一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験方法の再検討を踏まえて、所属機関内における実験実施の倫理審査手続きを完了させ次第、本実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度に続き2023年度に行われた実験が予備実験であったため、被験者の謝礼金が発生しなかった。また、本実験が行われなかったため、消耗品が消費されず調達が無かったことが理由として挙げられる。2024年度は本実験に参加する被験者への謝礼金、実験で得られたデータを解析する機器、研究成果を公表する学会発表のための旅費に使用する計画である。
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