2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K21230
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
木内 悠人 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 特任研究員 (90961087)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 食行動 / フレイル / 高齢者 / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイルは要介護の前駆状態と位置付けられ、フレイルの危険要因の1つとして低栄養状態が挙げられている。低栄養状態は、不良な食行動によって誘発される可能性が示唆されているが関連行動は多岐に渡っており、包括的に評価する必要性がある。日本の地域在住高齢者を対象として食行動の実態をそれぞれ単独で評価した研究はあるが、食行動全般を包括的にスクリーニングするための指標は開発されていない現状である。そこで本研究は、地域在住高齢者に対する食行動を包括的に評価するためのスクリーニング指標の開発を目的とする。さらに、地域在住高齢者を対象とした実測調査を実施し、開発したスクリーニング指標の関連妥当性の検討としてフレイルとの関連性について検討することも目的とする。本評価尺度により食行動の把握が可能になれば、高齢者におけるフレイルおよび低栄養状態に対する簡易リスクスクリーニング方法を確立することになると考える。今年度においては、調査項目の選定のために文献レビューおよび栄養学および老年学に精通した研究協力者等との打ち合わせやブレインストーミングを実施した。さらには過去のデータベースをもとに横断調査にて食行動と高齢者の健康問題に関する論文を執筆・整理を行い、包括的な食行動を評価するための評価項目の案を抽出し、評価尺度の素案を作成した。なお、これらの研究成果の一部に関しては現在国際誌への投稿を行っている。来年度より実施予定である高齢者機能健診の円滑な実施およびデータベースの構築のため、研究協力者と打ち合わせや行政との折衝などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢期における包括的な食行動の評価に対して必要と考えられる潜在的評価項目を選定し、評価項目の案を抽出し原案を作成した。その原案をもとに、来年度から実施予定である高齢者健診において横断的調査の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者機能健診の実施のための対象者の選定およびリクルートを行う。リクルートを行った高齢者を対象に作成した評価尺度の妥当性および身体的フレイルに関する項目を高齢者機能健診時に評価する。得られたデータをもとに、食行動と身体的フレイルとの関連性を横断的に検証する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由 本年度に得られた成果を発表するため、学会参加費用ならびに論文の英文校正費用を確保していたが、データ解析および論文執筆に遅延が生じたため次年度額が生じた。 次年度使用額の使用計画 研究成果発表のための学会参加費ならびに、執筆している論文の英文校正を校正会社に依頼し、その依頼料として使用する。
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