2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中後急性期の筋量および筋質変化が長期的アウトカムに与える影響の解明
Project/Area Number |
22K21239
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 浩基 京都大学, 医学研究科, 特定医療技術職員 (60962214)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 身体活動量 / 栄養摂取量 / 日常生活能力 / 筋量 / 筋質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究の1つ目の目的である脳卒中後急性期の筋量および筋質低下の要因を身体活動量と摂取栄養量に着目して特定するために研究を実施した。前向きコホート研究の登録者数は63名となり、今年度予定していた登録者数は確保することができた。急性期の経過で得られた一部のデータは解析済みであり、脳卒中発症後2週間で筋量と筋質がともに低下すること、中でも筋質がより顕著に低下することを明らかにした。さらに、この筋質の低下には身体活動量やエネルギーおよびタンパク質などの栄養摂取量が関連することが明らかとなり、本研究の仮説に即した結果が得られている。この結果は国際学会誌で発表済みである。 今年度は上記の結果に加えて、脳卒中発症前の身体活動が高い患者ほど発症後急性期の身体活動量が高いこと、急性期の身体活動量は血圧の変動を抑えることに関連していることを明らかにした。これらの結果は第48回脳卒中学会で発表済みであり、論文化に向けて計画を進めている。本研究の2つ目の目的である中長期的な身体機能や日常生活能力に急性期の筋量や筋質の変化が与える影響を検討するにあたって、これらの結果はその基盤となるデータになると考えられる。次年度は今年度登録された患者のフォローアップを行い、2つ目の目的を明らかにするために急性期の身体活動や栄養摂取量、筋量や筋質が及ぼす影響について詳細に解析を行い、学会発表ならびに論文発表を行う予定である。 以上より、今年度は十分な症例数を確保して急性期の経過について分析を進めることができた。次年度以降も対象者の登録を続け、解析済みのデータの論文化、新規データの解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、前向きコホート研究の登録者数を確保できている。また、得られたデータについて解析を行い、国際雑誌へ掲載することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の2つ目の目的を達成するために登録者のフォローアップを行う予定である。フォローアップで得られた中長期的な身体機能や日常生活能力に関連する要因を、急性期の筋量および筋質の変化に着目して解析し、その結果について学会発表および論文化を行う。
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Causes of Carryover |
今年度はCOVID-19の流行により学会発表の件数が少なくなったこと、解析ソフトの購入を次年度に行う予定にしたことで当該助成金が生じた。次年度はデータの取得の継続、解析および発表を進めるため、研究の遂行に必要な物品費、解析ソフト、旅費、論文オープンアクセス化に伴う費用に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Association of physical activity and nutritional intake with muscle quantity and quality changes in acute stroke patients2022
Author(s)
Hiroki Tanaka, Gakuto Kitamura, Manabu Nankaku, Masashi Taniguchi, Kenichiro Shide, Miharu Fujita, Megumi Ida, Shinobu Oshima, Takayuki Kikuchi, Takakuni Maki, Ryosuke Ikeguchi, Susumu Miyamoto, Ryosuke Takahashi, Nobuya Inagaki, Shuichi Matsuda, Noriaki Ichihashi
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Journal Title
J Stroke Cerebrovasc Dis.
Volume: 31
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 脳卒中後の日常生活能力の回復に対する患者特性および急性期の身体活動・栄養摂取の関連2023
Author(s)
田中浩基, 北村岳斗, 田村真悠, 南角学, 谷口匡史, 幣憲一郎, 藤田美晴, 井田めぐみ, 大島志のぶ, 菊池隆幸, 眞木崇州, 宮本享, 高橋良輔, 市橋則明
Organizer
第48回脳卒中学会学術集会
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