2023 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中後急性期の筋量および筋質変化が長期的アウトカムに与える影響の解明
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22K21239
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 浩基 京都大学, 医学研究科, 特定医療技術職員 (60962214)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 身体活動量 / 栄養摂取量 / 日常生活能力 / 筋量 / 筋質 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は当初の計画通り、解析を実施するためのサンプルサイズ(登録者数:67例)を満たし、前向きコホートの観察期間を全例完了することができた。 本研究課題のテーマである脳卒中後の長期的アウトカム(日常生活能力:ADL)と筋量や筋質の関連について、以下の解析結果を得た。まず、急性期のADLの回復には発症時の筋質や発症前の身体活動量および栄養状態が関連した。さらに、回復期も含めた全入院期間でのADLの回復には、急性期の筋質や栄養充足率が関連した。これらは仮説の通り、筋の性質が良好な対象者ほどADLが大きく回復することを示している。筋量ではなく筋質がアウトカムに関連するという一貫した結果が得られており、今後は筋質に焦点を当てて研究を進めていくことが必要である。また、身体活動量や栄養摂取量といった修正可能な因子がADL回復に影響していることも明らかとなった。特に、発症前の因子が急性期のADL、急性期の因子が回復期のADLの回復に二次的に作用することは新たな知見となった。発症前の予防的な介入および発症後早期からの介入が最終的なADLを高める可能性を示唆している。これらの結果について学会発表を2回行った。得られた結果について詳細に解析を進め、学会参加や論文投稿を行うことを目的に本究課題は次年度も継続する。 加えて、前年度に学会発表を行った結果(脳卒中前後の身体活動の関連)について、国際学会誌(Scientific Reports)に今年度掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルサイズを満たす対象者の登録を完了することができている。前年度得られた結果について国際学会誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究課題の目的を精緻に達成するために詳細な解析を行い、学会参加と論文投稿を進める予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は学会発表の回数が少なくなったこと、オープンアクセス誌への掲載が予定よりも少なくなったことで当該助成金が生じた。次年度には学会参加と論文投稿のための校正費や出版費に助成金を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)