2022 Fiscal Year Research-status Report
体重減少率がおよぼす運動時の塩味感受性変化への影響の検証
Project/Area Number |
22K21242
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入部 祐郁 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (60967545)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 熱中症 / 味覚 / 体重減少率 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱中症患者搬送数が年々増加しており、予防・防止が社会的急務となっている。熱中症には重症度によってⅠ・Ⅱ・Ⅲ度に分類されている。救急搬送されるレベルはⅡ度以上であるが、軽度であってもⅠ度の状態を放置してしまうと重症化に繋がる。熱中症の主な原因は脱水であり、脱水を予防することが熱中症対策の基本である。脱水の程度を知る方法として、体重測定や尿比重測定が活用されている。しかし、体重計を多くの人に使い回したり、尿比重計を個人で持ち運ぶことは現実的ではない。ウィズコロナ型の生活様式に移行する中、熱中症対策も感染防止に留意した新たな対策を講じなければならない。前述した指標のデメリットを補う新たな指標として、塩味感受性の可能性が指摘されている。本研究では、塩味感受性の変化を定量化し、体重減少による脱水レベルおよび脱水状態との関連について検証することを目的とする。 2022年度は新型コロナウィルス感染症の影響、さらに次年度からの所属機関異動に伴う準備等で研究の進捗が滞った。塩味だけでなく、運動中の他の味覚変化やマウスを使った先行研究について考証し基礎的知見を収集した。また、本研究に適した実験プロトコルや測定項目について再検討した。 2023年度は前年度に検討した項目を検証するため、当初予定していた実験を遂行していく。また、運動によって研究対象者を熱中症に近い状態にさせるため、実験実施時期なども考慮する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の実施状況について、新型コロナウィルス感染症による影響、およびそれに伴う実施手順の見直し等の必要があったため「遅れている」と評価した。当初は汗や尿中のナトリウム分析を実施する予定であったが、成分分析を依頼する外注先の検討やラボ内での飛沫感染対策の徹底などが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最後の年度となるため、研究推進の方法を取捨選択し進めていきたい。2023年度は、所属機関異動に伴い研究エフォートが減少する可能性が高く、何を明らかにすべきかという点をより一層重視する。実験における感染症対策に留意し、研究以外の業務効率化を図りながら研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染防止のため、実験実施を2023年度に先送りしたことによる人件費の未使用によるものである。先送りした実験は2023年度に実施予定である。2023年度使用額は実験に係る人件費、成果発表のための費用として使用予定である。
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