2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者に対するロボットスーツ HALを用いた歩行練習の適応基準の確立
Project/Area Number |
22K21260
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Research Institution | Kyushu Nutrition Welfare University |
Principal Investigator |
鈴木 雄太 九州栄養福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (60966886)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 歩行支援ロボット / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳卒中患者に対するHALを用いた歩行練習が奏功する患者とそうでない患者の介入開始時の臨床的特徴の違いを明らかにすることを目的としている。2022年度は脳卒中患者に対するHALを用いた8週間の介入研究を実施していたが、COVID-19の影響や患者の状態変化による転院、あるいは自宅退院等により8週間の介入をすべて終了できる対象が少なかった。そのため、2023年度は研究計画を見直し、介入期間を4週間に改めて研究を進めた。また、研究開始当初に予定していた患者の機能的側面の測定のみでなく、歩行動作や筋活動などの歩行の「質」に関する項目についても環境整備を進め、測定が実施できる環境を構築することができた。本研究の成果として、HALによる4週間の歩行練習後の歩行自立度の改善には、認知機能をはじめとして、麻痺側の運動機能の中でも特に股関節機能が重要であること、体幹機能が比較的保たれていること、非麻痺側下肢筋力が十分に残存していることなどが関連することを示した。さらに、HALを用いた歩行練習によって、歩行中の筋活動パターンが正常なパターンへ近づくことが確認できた。これらの成果は対照群のない介入研究によるものであるが、これまでにHALなどの歩行支援ロボットをどのような患者に使用すればより効果が得られるのかを検討した報告はなく、脳卒中患者の歩行再建に向けた新たな知見であると考えている。これらの成果について、国際学会で1件、国内学会で4件の報告を行った。
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