2023 Fiscal Year Annual Research Report
Features of Cerebral Hemodynamics during Cardiac-Locomotor Synchronization Exercise: Study of Physical Exercise for Prevention of Dementia
Project/Area Number |
22K21264
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
東本 翼 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90964247)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 脳血流 / 心拍と動作リズムの同期現象 / 運動療法 / 筋ポンプ作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の根本治療の確立が難航しており、予防方法の確立が急務である。認知症発症リスクを増大する主な因子として、運動不足、動脈機能や脳血流の低下などがある。これらの因子を改善する方法の一つとして、習慣的な有酸素性運動の実施が推奨されている。そこで、本研究では、循環効率が向上する心拍と動作リズムの同期(CLS)現象に着目し、CLS現象が生じた運動中の脳血流と脳活動の特性を明らかにする。本研究は、CLS運動中の脳循環特性を検討し、脳血流の向上に効果的な心拍-動作リズムを選定する(課題1)。その選定したリズムを用いたCLS運動中に活動する脳部位を明らかにする(課題2)。そして、選定したリズムでCLS運動を習慣的に実施し、慢性的な脳血流・脳活動部位への影響を明らかにするとともに、認知機能との関連性を解明する(課題3)。本研究の成果は、脳循環の向上に効果的な運動様式の探索と認知症予防のための運動療法の確立を目指すうえで有益なエビデンスになると考える。 令和5年度(最終年度)は、令和4年度に得られた成果を基に、中高齢者を対象にCLS運動実験を行うためのプロトコルの確立と計測から得られた生理シグナルの効率的な解析法の探索を行った。また、若年者を対象に、運動中の心拍および走行ペースをモニターしながらの8カ月の運動介入実験を実施した。まず、中高齢者を対象に、CLS運動の実施および運動中の脳血流と脳活動の計測は可能であった。課題1で確認された、心拡張期に同期する動作リズムでの運動は若年者と似た血流変化が確認された。現在は、同期した生理シグナルの正確かつ効率的な解析法を探索している。また、介入実験では、運動後に動脈機能が改善し、その改善と脳血流節機能が関連することが明らかとなった。今後、中高齢者でのCLS運動介入実験の実施を目指す。
|