2023 Fiscal Year Annual Research Report
高精度・高速な高電圧感電時の人体内部の電流密度-熱伝導-構造連成解析
Project/Area Number |
22K21281
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
野村 政宗 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90967259)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 数値人体モデル / 静電界解析 / 非定常熱伝導解析 / ADVENTURE_SYSTEM / 大規模並列計算 / 連成解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究は、主に私が配属している秋田高専にて人体モデルの「電気」-「熱」-「構造」連成解析を数値計算するのに十分な計算機環境がそろっていなかったので、本研究費を用いて大規模計算機環境の構築を行った。具体的には、AMDのCPUで1ノード16コア@4.5GHz・64GBの計算機を4台導入した。全部で64並列、256GBの数値計算を行える並列計算機環境の構築を行うため、公開鍵認証の設定など本研究でベースとする開発コードとして用いるADVENTURE_SYSTEMに則る並列化のシステム構築を行った。結果的に、人体モデルを用いた「電気」-「熱」に関する大規模並列非定常計算を適切に実行できたことを確認した。今年度は実際に構築した並列計算機を用いて、人体モデルへの適用を行った。しかしながら、ADVENTURE_Thermalへの人体モデルの摘要の問題点として、ボクセルで構築される人体モデルは、皮膚と空気領域の境界において、点で接する境界と辺で接する境界があり、これだと境界条件の貼り付けができないという問題点があったので、面で該当境界と接するように人体モデルの改良を行った。また、ADVENTURE_Thermalには、四面体要素のみが用いられており、ボクセルに構築される人体モデルで解くには非効率なので、六面体要素の導入をし、また、電界と電流密度の内積からジュール熱を計算する後処理機能の構築を行った。実際に開発したコードを用いて、家庭内感電、送電線での感電、変電所内での感電を想定した「電気」-「熱」の非定常連成解析を行ったところ、家庭内感電では熱的影響はほとんどなく、送電線、変電所内での感電での感電では、熱が電界の強い腕の関節や脇あたりから局所的に瞬時に広がっていくところを観察できた。また、本研究の元となる研究結果を電子情報通信学会に査読論文として投稿し、掲載することができた。
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