2022 Fiscal Year Research-status Report
Improving public awareness of the vulnerability of fingerprint authentication by establishing methods for evaluating presentation attacks and detection performance
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22K21314
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Research Institution | International Professional University of Technology in Nagoya |
Principal Investigator |
奥村 健太 名古屋国際工科専門職大学, 工科学部, 助教 (80963579)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 生体認証 / 指紋認証 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体情報を用いた本人認証は広く社会に浸透し、多くの人々が日常的に使用している。とくに普及した指紋認証用として近年流通するセンサの多くは小面積化が進んでおり、得られる生体情報は制約が厳しくなる傾向にある。本人認証の精度は定量的な性能評価がされている一方、悪意に基づく偽装による攻撃へのリスクついての活発な議論はなされていない。本研究では安定性と再現性の高い偽装手段と攻撃方法を解明し、攻撃に対する汎用な耐性評価手法を確立する。これらの成果を広く利用可能な形で一般に公開することで、まずは指紋を話題として、この問題意識の社会的認知向上に資することを目標とする。 本研究は、社会的に普及が進む生体認証の利便性の裏に隠れた危険性について、共通の尺度で評価を行うための手段を確立し、その知見を広く共有することを目指している。その最大の目的は、生体認証における偽装の問題について、その攻撃の容易さと防御の困難さを明らかにすることで問題意識の認知を広め深める、社会的貢献である。 2022年度に実施した研究の主な成果は以下の2点である。(1) 実在の人物から生体情報を採取し、それをもとに攻撃用の偽装サンプルの作製方法を確立できたこと。(2) 作製した偽装サンプルを用いて、現在国内で多数普及している指紋センサを備えた装置に対して攻撃を試み、すべての装置において攻撃が成功する品質を確認できたこと。 また、そのほかの入力方式を採用した指紋センサに対しても攻撃が可能な偽装サンプルの作製方法についても検討し、試作を行った。未入手のセンシング方式のセンサを搭載した装置を選定・調達でき次第、サンプルの作製および攻撃実験を行う用意を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実在の人物から生体情報を採取し、それをもとに攻撃用の偽装サンプルの作製方法を確立できた。また、作製した偽装サンプルを用いて、現在国内で多数普及している指紋センサを備えた装置に対して攻撃を試み、すべての装置において攻撃が成功する品質を確認できた。 なお、基本的な手順の確立を優先して実施し、その安定化を検証する実験などを次年度に回したため、予算の執行や配分状況において、当初の予定からの変更が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主要な製品群に対してひとしく評価を行うための条件や方法を解明する。社会で普及している製品によって攻撃のためのデータの入力方法は多岐にわたるため、作製した偽装サンプルをどのタイプのセンサに対してどのように用いれば攻撃性が増すのかについても網羅的に評価を行うことを目指し、偏りのない知見の具体化を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度は研究代表者本人が直接行える基本的な実験手順の確立を優先したため、当初の予定に比べて必要な物品の購入などが少なくなった。次年度はその残高を繰り越し、より大規模な実験の実施に際して必要となる物品の購入などを執行する。
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