2021 Fiscal Year Annual Research Report
バルク・ナノ金属の高分散化現象の機構解明と単原子触媒の設計開発への展開
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21F21354
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 研一 北海道大学, 触媒科学研究所, 教授 (60324000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG NINGQIANG 北海道大学, 触媒科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | ディーゼル脱硝 / 触媒 / 銀 / 劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
γ-Al2O3担持Ag(Ag/Al2O3)触媒はディーゼル脱硝に用いられる工業触媒である.原子レベルで分散したAg+種が本系の必須要素であるが,触媒の劣化・再生やAg+種のアンカーサイトの構造に関しては検討の余地がある.本研究ではH2中でのAg+種の還元凝集と酸化雰囲気(NO+O2)におけるAg+種の再生(再分散)を各種分光法により追跡した.Ag3/Al2O3(Ag = 3 wt.%)はベーマイトに硝酸銀水溶液を含浸後, 600 ℃で焼成して調製した.各測定の前に再度600 ℃でO2 (10%)処理を行った.反応は常圧流通反応装置にて行った(0.5% H2; 0.1% NO; 0.1%NH3; 10% O2).HAADF-STEM測定より,焼成後(fresh)のAg3/Al2O3の主なAg種は単原子状Ag+であった.H2中,800 ℃で処理した試料(sintered)では,原子状Ag+種は消失し粒子径10-52 nmの凝集したAg NPsが観察された.XRDではAg(111)に帰属できる強い回折線が観測され,XAS でも金属Ag NPが主なAg種であることがわかった.H2処理後の試料をNO+O2中, 400℃で処理した試料(re-oxidized)では,単原子状Ag+の再生,Ag NPの回折線強度の減少,金属AgのEXAFSピークの消失とAg-O結合の再生が確認された。SCR反応における活性は還元処理により減少するが,再酸化後にfreshと同様の活性を回復した.以上の結果はNO+O2中でAg NPsが原子状のAg+種に再分散(活性種が再生)することで触媒活性が回復することを示す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
触媒動作条件下で触媒の分光学的評価と触媒活性・選択性の測定を同時に行う手法と定義されているOperando分光による反応機構解析を行い、すでに有望な成果を得ている。実験に即した理論計算を利用した検討も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
理論計算により、γ-Al2O3上のAg+のアンカーサイトの構造をモデル化する。γ-Al2O3上の水酸基やLewis酸点の解析と併せて,Ag+のアンカーサイト及び再分散メカニズムを提案する。
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