2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution, Deformation and Dynamics of the Indo-Australian Plate: A New Seismological Approach
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22F22325
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉澤 和範 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70344463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHANTY DEBASIS 北海道大学, 理学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | Indo-Australian plate / tomography / upper mantle / seismic anisotropy / surface waves / body waves |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,インド・オーストラリアプレート下の種々の地震波解析研究を通じて,当該地域下の高精度な上部マントル構造モデルの構築と,プレートの進化・変形やダイナミクスの解明を目指している.本年度は,新しいマルチモード表面波トモグラフィーモデルの構築に必要となる,高次モードを含む表面波位相速度の解析に向けて,インド洋周辺域の地震観測点(定常観測点や臨時観測点を含む)の大量の波形データの収集とそれらの解析に向けた作業を行った.さらに,3次元トモグラフィーモデルの構築とは独立に当該地域下の地震学的構造とダイナミクスについて精査するために,インド・オーストラリアプレート系の一部であるインド・ビルマ地域(IBR)でのS波スプリッティング解析を行い,地殻・マントルの運動や変形と地震学的構造との関連性について検証した.その結果,IBRの地下では,地殻とマントルが分離して運動している可能性を示唆する結果が得られた.当該地域下の地殻は,プレート沈み込みに伴う圧縮応力の影響を受けている一方,マントル側はインド亜大陸リソスフェアの沈み込みに伴うアセノスフェア内の引きずりの影響を受けていると考えられる.この研究成果は現在,国際学術誌への投稿に向けて準備を進めている.また,本研究で必要となる大量の地震波形データおよび解析処理後のデータの保存のため,既存のファイルサーバーを増強するためのハードディスクや円滑な解析作業のための新しいコンピューター等を購入した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は11月中旬に特別研究員が来日し,その直後から大量のデータ解析のための作業を進めている.その後,一部観測データの不具合への対応に若干時間を要したため,予定よりもやや遅れ気味となった.すでに不具合は解消し,データ解析作業は進展しつつあり,次年度にはほぼ予定通りの研究の進展も期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集してきた地震波形データから,マルチモード表面波の位相速度解析を継続し,インド-オーストラリアプレートを包含する地域の新しい表面波トモグラフィーモデルの構築を進めていく.これにより,当該地域下の不均質構造や,鉛直異方性および方位異方性について検証を進める.さらに,P波トモグラフィーやS波スプリッティングの地震学的観測情報なども加味し,当該地域の上部マントルの詳細な地震学構造やダイナミクスについて調べる予定である.
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