2023 Fiscal Year Research-status Report
インド-オーストラリアプレートの進化・変形とダイナミクス:新地震学的アプローチ
Project/Area Number |
22KF0012
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉澤 和範 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70344463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHANTY DEBASIS 北海道大学, 理学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | インド-オーストラリアプレート / 上部マントル / リソスフェア / アセノスフェア / 表面波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,種々の地震波解析を通じて,インド・オーストラリアプレートやその周辺域下の高精度な上部マントル構造モデルの構築と,当該プレートの進化・変形やダイナミクスの解明を目指している.本年度は,前年度に引き続き,インド洋全域の新しい上部マントル3次元S波モデルを構築する上での基礎データとなる,マルチモード表面波の位相速度解析を行い,予備的な位相速度モデルの構築作業を行った.特に,約20年以上分の地震について,インド洋周辺域の多数の地震観測点(定常観測点や臨時観測点を含む)で得られた大量の波形データの解析を行い,レイリー波で70000波線以上,ラブ波で30000波線以上の位相速度を収集できた.これら大量の波線毎の位相速度情報を用いて,インド洋全域の予備的な位相速度マップを復元した結果,東経90度海嶺での低速異常や,豪州-南極不連続での高速異常など,インド洋下の上部マントルの構造的特徴を反映した暫定モデルが得られている.さらに,前年度から解析を進めていた,インド・オーストラリアプレート系の北端付近の衝突帯・沈み込み帯に位置するインド・ビルマ地域の陸域観測点でのS波スプリッティング解析も継続し,当該地域の地殻と最上部マントルの異方性構造や変形に関する最新結果について,国内学会での発表と国際学術誌への投稿を行った.なお,本研究で必須となる大量の地震波形処理では,北大のスーパーコンピュータを主に用いて解析作業の効率化を図るとともに,大量の地震波形記録および解析処理後のデータ保存作業の効率化のため,計算機環境の整備増強を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大量の地震波形の解析処理に時間を要したものの,十分な量の位相速度データを収集することができ,インド洋の海域を中心とした予備的なトモグラフィーモデルの構築まで進められた.また,陸域のS波スプリッティング解析の結果を論文投稿した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に収集した大量の波線に対する表面波位相速度情報を元に,次年度は,さらに計測データの精査を進め,3次元S波モデルの構築を進めていく.特に,マルチモードのレイリー波とラブ波の情報を同時に用いることで,鉛直異方性の推定も行い,インド-オーストラリアプレート地域下の上部マントルにおける3次元的不均質構造と異方性構造を明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
大量の波形解析処理に時間を要した影響等により,本年度に予定していた海外の国際学会での発表を次年度に延期したことや,計算機関連や消耗品等の経費節減努力により,一部の経費残額を次年度に繰り越した.これらの経費は,次年度の国内外での学会発表や論文発表,計算機環境の追加整備に活用する計画である.
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