2022 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-Low Cycle Fatigue Behavior of Steel Connections
Project/Area Number |
22F32042
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡崎 太一郎 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20414964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG YUANZUO 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
|
Keywords | 鋼構造建築物 / 接合部 / 破壊力学 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大地震によって鋼構造建築物の接合部が被害を受ける過程の数値シミュレーション技術を、高度化することである。材料試験片、溶接接合部、高力ボルト摩擦接合部、耐震要素などの力学的条件が異なる試験体について、繰返し載荷実験のデータを収集する。本研究では、このうちの材料試験を実施し、極低サイクル載荷をうけた鋼材が、塑性変形を経て亀裂を生じ、亀裂の進展で劣化し、やがて急激な破断に至る過程を詳細に観察する。この実験データを用いて、地震の作用で繰返し載荷を受けた接合部が、損傷し破壊するまでの挙動を再現できる、精緻な有限要素法解析を開発する。 これまでに、応力三軸度と、法線応力・せん断応力の組合せに依存するロード角が異なる形状の試験体を数種類設計した。実験は、2023年度に実施する。実験データが揃ったところで、この実験結果と照合するように、塑性変形と破壊に関連する、材料則とそのパラメータを較正する。ここで検討する材料則は、降伏条件に、移動硬化と等方硬化とロード角依存性を組み込み、破壊則に、引張塑性ひずみによる損傷の蓄積と、圧縮塑性ひずみによる損傷の回復を組み込んだ、研究者ら独自のものである。研究の展望としては、較正した材料則を、材料力学と破壊力学を組み合わせた数値解析法に組み込んで、研究代表者が実施してきた大型耐震構造実験のデータを利用して、数値解析法の信頼性と正確性を検証する。例えば、柱梁接合部や鋼材ブレースの繰返し載荷実験で観察された破断、重層ラーメン構造の振動台実験で観察された破断を、どの程度の制度で予測できるかを検証し、残された研究課題を抽出する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の構想と準備を順調に進めてきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者がこれまでに製作した実験装置を改良して、材料試験片・溶接接合部・高力ボルト摩擦接合部の繰返し載荷実験を実施するための装置や治具を製作する。特に、材料試験片の形状に工夫があり、応力三軸度と、法線応力・せん断応力の組合せに依存するロード角が異なる形状を数種類用意する。各試験体に極低サイクル載荷をかけて、塑性変形を経て亀裂を生じ、亀裂の進展で劣化し、やがて急激な破断に至る過程を、高精度の計測と画像計測で挙動を記録・観察する。破断面を電子顕微鏡で観察して、亀裂の発生個所と破壊過程を詳細に把握する。次に、精緻な有限要素法解析を実施して、応力状態が様々に異なる場合の実験結果と照合するように、破壊を生じる力学的条件を逆算し、材料則のパラメータを較正する。ここで検討する材料則は、降伏条件に、移動硬化と等方硬化とロード角依存性を組み込み、破壊則に、引張塑性ひずみによる損傷の蓄積と、圧縮塑性ひずみによる損傷の回復を組み込んだ、研究者ら独自のものである。 較正した材料則を、材料力学と破壊力学を組み合わせた数値解析法に組み込んで、研究代表者が実施してきた大型耐震構造実験のデータを利用して、数値解析法の信頼性と正確性を検証する。例えば、柱梁接合部や鋼材ブレースの繰返し載荷実験で観察された破断、重層ラーメン構造の振動台実験で観察された破断を、どの程度の制度で予測できるかを検証し、残された研究課題を抽出する。
|
Research Products
(1 results)