2021 Fiscal Year Annual Research Report
バイオメカニクスで紐解くバイオフィルム形成の仕組み
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21F50064
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 拓司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20313728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG JINYOU 東北大学, 医工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸菌 / バイオフィルム / 数値シミュレーション / 数理モデル / 可視化計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究環境の整備と、研究の立ち上げを行った。 本来、楊氏は2020年8月に来日予定であったが、コロナ禍の影響で2021年12月まで研究を始められなかった。この間にバイオフィルム研究は日進月歩で深化しているため、最新の研究動向を調査し、研究課題とスケジュールを状況に合わせて軌道修正した。 実験準備として、腸内細菌を観察するためのゼブラフィッシュの実験系を構築した。飼育と産卵、稚魚の観察、麻酔、大腸菌の挿入などの一連のスキルを習得した。また、蛍光顕微鏡によるライブイメージング技術を習得した。微細流体流路を製作するための基礎技術も習得した。これらの技術を基盤とし、ゼブラフィッシュ腸内の大腸菌のライブイメージングに成功した。 さらに、シミュレーションのためのコード開発にも取り組んだ。物理環境下のバクテリア挙動を解析するため、境界要素法を基盤とする解析コードを構築している。東北大学流体科学研究所のスパコンを使用するための事務手続きや、技術習得も行った。計算コードのバグ取りは終了し、試行計算で良好な結果が出ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で来日が1年以上遅れてしまったが、2021年12月には東北大学にて研究を実施することができた。来日できない間もオンラインで密に研究打合せを行っていたため、すぐに研究に取り掛かることができた。研究は無事に立ち上がったため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、腸内細菌を観察するためのゼブラフィッシュの実験系を確立させる。飼育と産卵、稚魚の観察、麻酔、大腸菌の挿入などの一連のスキルに習熟することで、蛍光顕微鏡による腸内細菌のライブイメージングを行う。また、微細流体流路を製作し、in vitro環境で大腸菌挙動を観察するための準備も始める。 さらに、境界要素法とスレンダーボディ理論を用い、大腸菌の遊泳シミュレータを構築する。このシミュレータを用い、流れ中の大腸菌の挙動を体系的に整理する。腸内環境を再現するためのシミュレータも併せて開発し、先のシミュレータと統合することで、腸内環境における大腸菌の集積過程を計算する。 これらの研究成果を、国際会議論文および査読付き雑誌論文として発表する。
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