2023 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental investigation on concrete using cellulose nanofibers
Project/Area Number |
22KF0029
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西脇 智哉 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60400529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUPIT STEVE 東北大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 超高強度セメント系複合材料 / ナノ繊維 / マクロ繊維 / セルロースナノファイバー / 補強繊維 / 力学特性 / 微細構造 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、超高強度モルタルを主な対象として、ナノサイズの補強繊維からメゾサイズ(マイクロメートルオーダー)・マクロサイズ(ミリメートルオーダー)までの各種補強繊維を組み合わせて用いることにより、繊維補強セメント系複合材料(FRCC)の力学特性や耐久性に与える影響を確認した。ここでは、ナノサイズの補強繊維としてセルロースナノファイバー(CNF)を、メゾサイズにはCNFと同様に木質系のミクロフィブリルセルロースや針状の構造を持つ鉱物であるワラストナイト、マクロサイズには一般的な補強繊維として用いられる鋼繊維や合成樹脂繊維などを用いた。また、マトリックス材料についても、フライアッシュなどの産業副産物系の混和材の適用について検討を行った。 各種の力学試験などを実施して、これらの結果から異なるスケールの繊維間の相互作用により、マトリックス部分が補強されることでマクロ繊維(鋼繊維)の付着性状と引抜強度の向上することを確認した。ナノ繊維は微細ひび割れの発生とその成長を制御できる一方で、単独で用いた場合の靭性への影響は極めて限定的であり、靭性の向上に寄与するミクロ繊維との組み合わせにより靭性の向上に寄与する。ナノ繊維とミクロ繊維を適切な量で組み合わせた場合には、水和反応の継続に寄与してマクロ繊維とセメントマトリックス間の界面領域の改善に寄与することを確認した。これらの性状は、水和生成物中の微細構造の変化と生成相を、SEM観察、XRD、水銀圧入ポロシメータなどの試験により評価した。 これらの成果は、ナノ繊維とワラストナイトを用いた場合の影響を中心にまとめた論文として国際誌に1編の論文が採択された(DOI: 10.1016/j.conbuildmat.2024.135802)ほか、更にFRCCとしての力学特性を中心とした内容の論文として国際誌に投稿するための準備を進めている。
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