2023 Fiscal Year Annual Research Report
Detailed mechanism of trafficking proteins involved in the virulence of Plasmodium falciparum
Project/Area Number |
22KF0032
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 東北大学, 農学研究科, 教授 (30401178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZAD MD THOUFIC 東北大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | マラリア / 転写制御機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
赤血球を寄生ターゲットとするマラリア原虫は、内側から赤血球を様々に作り変え、自身の増殖を維持する。赤血球に感染したマラリア原虫は、原虫内部で蛋白質を合成し、寄生細胞である赤血球の細胞質へと輸送する。さらに、赤血球内に“マウレル裂”と呼ばれる独自の小胞状のオルガネラを形成し、原虫由来の分泌蛋白質はこれらのオルガネラの中に放出される。マウレル裂は、原虫由来膜と原虫及び宿主の蛋白質からなる高次膜構造体であり、原虫の増殖に不可欠な栄養素の取り込みのみならず、原虫由来の病原性蛋白質PfEMP1の赤血球表面への輸送等、感染赤血球内での蛋白質輸送系として働く。この蛋白質輸送系を使って感染赤血球膜上に提示されたPfEMP1等の原虫蛋白質は、毛細血管壁や他の感染赤血球、非感染赤血球に結合して“ロゼット”と呼ばれる細胞塊を形成することで血管を閉塞し、多臓器不全を引き起こすことで重症化へと導く。 本年度は、熱帯熱マラリア原虫の赤血球侵入時から経時的に行ったRNA-seqの実施結果を解析し、原虫のゲノム編集の解析を行った。これにより、マラリア原虫の赤血球内での独自の転写制御機構を明らかにすることができた。具体的には、赤内型の各ステージ(8時間ごと)においてPHISTファミリー関連遺伝子を含めたRNA-seq解析を行い、熱帯熱マラリア原虫の赤内型の転写制御と一塩基多型についてデータを得ることに成功し、2報の論文としてまとめることができた。
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