2022 Fiscal Year Annual Research Report
Saability and quench protection of HTS materials and magnets
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22F22710
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
淡路 智 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10222770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZAMPA ALEXANDRE 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-09-28 – 2025-03-31
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Keywords | 高温超伝導マグネット / 強磁場 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
希土類系高温超伝導(REBa2Cu3O7, REは希土類またはY:REBCO)テープは、高い磁場中臨界電流密度と強い機械的強度を有することから、これまで超伝導では不可能であった23Tを超える強磁場磁石開発が進んでいる。さらに、近年では強磁場高温超伝導磁石を採用した、小型核融合、高分解能核磁気共鳴(NMR)、高エネルギー物理用次世代円形加速器、医療用小型加速器など多くの次世代超伝導応用開発も世界中で活発に行われ、強磁場磁石はその重要なキーコンポーネントと認識されている。一方で、REBCOテープは、高い電磁力による局所劣化や臨界電流密度の不均一性による局所的常伝導領域による焼損が問題となっており、その保護が重要となる。本研究の目的は、東北大金研で進行中である33T無冷媒超伝導磁石開発プロジェクトで重要となるREBCOテープの熱的安定性とクエンチ特性の理解である。研究は2022年9月からスタートしたが、すでに中規模REBCOコイルを用いて、14 Tのバックアップ磁場と組み合わせて25 Tの強磁場発生に成功した。その際、東北大で提案しているREBCOロバストコイル構造において、2枚バンドル巻線による磁場安定度や電磁力に関して多くの知見を得ることができた。具体的には、2枚の超伝導テープの結合による磁場が、テープ内の遮蔽電流による磁場と逆方向に発生しお互いに競合していること、その時定数が大きく異なることが定量的に理解できた。さらに、提案しているロバストコイル構造によってコイル内部応力分布が最適化されることで、最大応力を低減できることを実証した。これらの結果を受けて、更なる詳細の実験とシミュレーションを進めているところである。得られた結果の一部は、共著論文ではあるが2編の出版がすでになされており、2023年度に開催される国際会議でも発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに中規模コイルによって25Tの磁場発生に成功した。これは金研で稼働している25T無冷媒超伝導マグネットと同等の磁場であり、重要なマイルストーンとなる。現在は、伝導冷却下で運転温度を変化させて、長時間にわたる緩和測定を実施することで、その詳細挙動の実験的検証を行っていることろである。これらの成果の一部は、世界最大の超伝導国際会議で発表され共著論文2編が出版された。また、2023年度に開催される1000人規模の国際会議でも、数少ない口頭発表に採用されたことから、本研究の注目度の高さが伺われる。
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Strategy for Future Research Activity |
25Tを発生した中規模コイルを伝導冷却下で詳細な実験を実施し、異なる温度の影響や電磁力に対する応答など詳細測定を実施、シミュレーションと合わせた解析を進める。また、コイル解析に必要な臨界電流測定も実施している。これらの結果を踏まえて33T無冷媒超伝導マグネットプロジェクトの成功に結びつける成果となると期待できる。
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Research Products
(2 results)