2021 Fiscal Year Annual Research Report
Physico-molecular elucidation of cold stress response and postharvest chilling injury in tomato
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21F21400
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江面 浩 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00332552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MITALO OSCAR 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | トマト / 果実 / 収穫後生理 / 低温応答 / 低温障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人研究者らがキウイフルーツで発見した低温による成熟加速現象の分子生理機構をトマトを材料に解明する。具体的には、1)低温貯蔵した果実に対して、生理的解析、メタボローム解析、トランスクリプトーム解析を行い、低温処理特異的反応を同定するとともに、その特異反応に関連する遺伝子の候補を抽出する。2)1)で得られた候補遺伝子の変異体を研究代表者が有するトマト大規模変異体集団のTILLINGライブラリーからスクリーニングし、その特性解析を行う。3)2)で期待する変異体が得られなかった場合、1)で得られた候補遺伝子をCRISPR/Cas9でノックアウトした変異体を作成し、その特性解析を行う。 令和4年度は11月から任期を開始し、翌年の3月までの5ヶ月間、研究を遂行した。具体的には、モデルトマト品種マイクロトムを実験温室で栽培し、収穫した果実を用いて低温貯蔵実験を行った。低温貯蔵実験では、エチレン反応阻害剤処理の有無を設けた。低温貯蔵中のエチレン反応阻害剤処理区と非阻害剤処理区で果実の低温障害の発生の有無や果実着色など成熟の進行状況の観察を行なった。その結果、エチレン反応阻害剤処理の有無により、低温障害の発生程度の大きな差異があったことから、阻害剤処理の効果が確認できた。同時に、それらの果実を経時的にサンプリングを行い、オミクス解析用の試料の調整を行なった。それらの試料を使ってまずトランスクリプトーム解析を行い、発現遺伝子のデータを獲得した。現在、獲得した発現遺伝子データの情報解析を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要に示した通り、計画した実験を予定通り、行うことができた。次年度へ向けての試料の収集も予定通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に低温成熟現象の関連遺伝子として抽出された遺伝子の同現象への関与を確認するため、2つの方法により、当該遺伝子についてのトマト変異体を獲得する。1つ目は、マイクロトムトマトの大規模変異体集団のTILLINGライブラリーから当該遺伝子の変異体をスクリーニングする方法である。得られた変異体については、世代促進を行い、変異遺伝子の固定化を進める。続いて、固定化した変異体については、栽培を行い、生育特性の解析を行う。得られた果実については、低温処理を行い、低温成熟現象の変化を解析する。もし候補遺伝子について、1つ目の方法で十分な数の変異体が得られなかった場合、CRISPR/Cas9の方法を活用して、候補遺伝子についての変異体を作成する。得られた変異体については、変異遺伝子の固定化、生育特性の解析、低温成熟現象の解析を行う。得られた研究成果の一部については、ギリシャ・テサロニキで開催されるSOL2022国際学会や園芸学会などの国内学会で発表するとともに、原著論文として投稿を行う。
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