2022 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌・サルモネラにおけるRNA制御回路の階層性に関する研究
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22F22709
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮腰 昌利 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60755809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEJARS MAXENCE 筑波大学, 医学医療系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 転写後調節 / アミノ酸代謝 / GcvB / 腸内細菌科 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミノ酸の輸送や生合成に関与する50以上の遺伝子(大腸菌ゲノムの1%以上)を制御するsmall RNA GcvBは、大腸菌などの腸内細菌科細菌に限らずグラム陰性細菌に広く保存されている。GcvBの細胞内存在量は最大でも140分子程度であるため、1つの細胞内で全ての標的遺伝子が制御されるかは確率的であり、標的遺伝子にはヒエラルキーが存在すると考えられる。本研究はGcvBがどのように標的mRNAを選択するかを明らかにし、転写後レベルの制御ネットワークに階層性を与えるメカニズムを解明することを目的とする。 代表的なGcvB標的遺伝子のGFP翻訳融合体を作成した。また、リボソーム休止因子遺伝子rmf、hpf、raiAのレポーターを作成し、各種培養条件の増殖曲線、発現量の変動を解析した。ゲルシフトアッセイによりin vitroではGcvBはrmf mRNAと塩基対形成することが明らかになった。しかしながら、現在のところGcvB過剰発現株および破壊株におけるrmfレポーターの発現量に再現性のある有意な変化は見出されなかった。これまでの研究成果を国内の研究会で発表した。また、外国人特別研究員が博士課程在学中に作成していた論文を投稿し、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表的なGcvB標的遺伝子のGFP翻訳融合体を作成したが、標的遺伝子のヒエラルキーに関する解析が進んでいない。また、多数のrmfレポーターを作成したが、有意な発現量の変化が見られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーターに融合する遺伝子領域によって発現変動が異なるため、ウェスタン解析によって実際のタンパク質量の変動を解析する。昨年度すでに3種類のリボソーム休止因子の抗体を作成している。また、今年度中に論文を作成し、投稿する。
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