2021 Fiscal Year Annual Research Report
What is Real? Exploration of City and Bodyscape through the Theory of Extended Mind
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21F21769
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40431879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARNE FEDERICO 東京大学, 人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | 仮想空間 / 都市 / メガロポリス / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該外国人特別研究員の研究課題は、メガロポリス(大都市)が現在において仮想的レベルおよび物理的レベルの両面で変容を遂げているという仮説を、「拡張した心」の理論を援用して、東京という都市を対象に分析・実証することを目的としている。一国の首都として考えたときに、東京という都市が、標準的というよりもむしろ突出した過剰さをもつことは、これまで多くの分野で指摘されてきた。そこから、東京を「ポスト・メガロポリス」あるいは「都市の最終段階」として位置付ける理論的言説も存在している。しかしそれらの言説のほとんどは欧米を中心とする「外からの」観察に依拠するものであり、いわゆる「オリエンタリズム」の陥穽を今なお免れていない。それに対して本研究課題は、内在的アプローチをとり、理論研究、フィールドワーク、専門家へのリサーチを通じて、東京という都市が仮想的レベルおよび物理的レベルの両面でもつポテンシャルを明らかにする。 コロナ禍に伴う入国制限により、当該外国人特別研究員の入国および研究開始が2021年11月に延期されたため、2021年度に与えられる研究期間は半年弱となった。そのため今年度は、文献調査を中心とした理論研究を進めながら、次年度以降のフィールドリサーチやインタビュー調査を設計を進めた。 このうち前者の文献調査は、京都大学、名古屋大学、立命館大学、東京大学の四大学が共催した大学院生国際ワークショップで、「物質と仮想の間の身体と都市」という題目のもと、研究成果が発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍に伴う入国制限により、当該外国人特別研究員の入国および研究開始が当初予定よりも二ヶ月遅れたが、比較的軽微な遅延であったため、日本到着後の研究環境の整備や研究者ネットワークの構築は滞りなく進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、主にフィールドリサーチと専門家への取材・インタビュー調査を行う。前者の対象は東京都内でランドマークや都市表象のメルクマールとなっている各地域と施設、後者の対象は、大学や研究機関に所属する都市計画の専門家、デベロッパー、自治体の都市開発・計画担当者である。 2023年度は、当該外国人特別研究員が帰国する10月まで、半年の期間しかないが、この間に、7月にブラジルで開催予定の国際美学会議に参加し、研究代表者も同行し、これまでの共同研究の成果を発表する。またこの年度には、研究代表者も協力して、本研究の成果を日本における国際的研究コミュニティ内に位置付けるためのワークショップを、関東と関西で開催する予定である。そのため、日本で同様の研究を行っている外国人(主にヨーロッパ人)研究者とのネットワークを築いている。
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