2023 Fiscal Year Annual Research Report
産業間・地域間労働移動が農家所得・地域経済・貧困削減に及ぼすインパクト評価
Project/Area Number |
22KF0079
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 勝宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80225698)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM THANH 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 労働移動 / 企業クラスター / VARHS / 農家の経済厚生 / 農村工業化 |
Outline of Annual Research Achievements |
経済発展の初期の段階では農業生産を主とする農村は貧しい。そのため農業部門の生産性向上や非農業部門での所得稼得が重要になる。非農業部門での就業も農村に就業機会があれば在宅兼業も可能だが、近隣に適当な就業の場がなければ農村から都市部に移動して就業することになる。本研究では農工間(農村・都市間)労働移動に焦点をあて、それが家計の厚生に及ぼすインパクトについて検討を加えることを課題としている。 そこで本研究では、先ず労働移動に焦点をあて、移動理由について検討した。次に、農村部の企業クラスターを農村部での工業化と捉え、企業クラスター化が家計の厚生や労働移動(転出・転入)に及ぼす影響について検討した。労働移動により稼得した所得の一部は送金という形態で移動元の家計に送られる。そこで、送金がミクロレベルで家計の厚生に及ぼす影響と農村地域という意味でのマクロレベルへ及ぼす影響について検討した。また、労働移動のメリットとデメリットについても焦点をあて、労働移動(出稼ぎ)が農村コミュニティに与える影響についても検討した。 これら一連の研究は、Vietnam Access to Resources Household Survey(VARHS)の個票データとベトナムで2回実施した現地での聴取調査に基づいて分析した。最終年次である2023年度は、2022年12月から2023年3月にかけて実施した労働移動の理由等に関する聴取調査の分析を行い、VARHSデータから得られた計測結果を統合(mixed-methods approach)し、論文として取り纏めた(現在、審査中)。
|