2022 Fiscal Year Annual Research Report
Energy-efficient bioenergy-based Power-to-X-to-Power systems with CO2 utilization
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22F21041
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
アズイッズ ムハンマッド 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (40611190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUO PO-CHIH 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 低品位燃料 / ケミカルルーピング / エネルギー貯蔵 / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度では主に、ハイブリッド再生可能エネルギーシステムによる廃棄物から合成天然ガスへの高効率的なエネルギー変換に注目し、プロセス全体のプロセス設計、エネルギー・エクセルギー解析、環境分析、および経済性の検討を行った。主なプロセスとしては、熱分解,プラズマガス化,高温水蒸気電解,およびメタン化である。研究から得られた結果は:1)廃棄物の熱前処理で最も推奨される運転条件は、200 ℃、滞留時間30分(TR200-30)であり、未処理の廃棄物の場合と比較して、CH4の収率を30.74%向上させることができる、2)廃棄物の2段階熱変換の総合エネルギー効率は67.20-77.73%の範囲にあり、1段階熱変換プロセスに比べ最大26.69%の向上率を占めている、3)環境評価で得られた結果から、投資に対するエネルギーリターンの値は2.66-6.11の間で変化する、4)ごみ焼却RDFの原料のバイオマス混合率を0から50wt%まで増加させた場合、総合エネルギー効率が77.73から73.21%に低下するが、投資に対するエネルギーリターンが3.94から4.66に増加し、合成天然ガスの生産の炭素集約度が16.19%減少した。 また、変換技術をガス化からケミカルルーピングに変更することで、同時にCO2が分離され、よりクリーンかつ高効率なエネルギー変換システムが得られる。2022年度では、ケミカルルーピングの性能向上に注目し、特に還元反応炉でのCO2再循環・再利用について検討を行った。結果としては、CO2を再循環することで、Boudouard反応により、全体的に還元反応が向上された。 行われた研究から、2編の学術論文が執筆され、それぞれWaste Management誌およびJournal of Environmental Chemical Engineering誌に公開されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度には実験およびシミュレーションの両方を実施し、まともな結果が得られた。プロセス設計・シミュレーションより、提案・最適化したプロセスが高いエネルギー効率を実現することができた。また、ケミカルルーピングの研究では、明確なCO2の循環結果も得られた。得られた結果を学術論文としてまとめることができ、1年間で2編のインパクトのある学術雑誌に投稿・公開された。また、得られた結果も非常に今後の研究および実証試験に大変約に立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に得られた結果を踏まえ、2023年度には更なる個々のシステムの最適化を行い、実証・実際の応用に向けた検討を行う。電力・水素製造によるマルチジェネレーションだけではなく、生成したCO2の利用プロセスも構築し、全体のシステム設計および最適化を行う。CO2利用プロセスとしては、オレフィン製造プロセスを想定している。また、ケミカルルーピングについては、更なる性能向上に関する研究を実施し、酸素キャリアによる反応特性を向上させ、変換率を上げる。また、酸素キャリアとバイオマスとの反応メカニズムをモデル化し、還元炉・酸化炉における反応特性を明確にする。ケミカルルーピングの性能向上には、実験および数値モデル化・シミュレーションを実施し、両者との検証を行う。
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