2023 Fiscal Year Annual Research Report
環状化合物の細孔空間を利用したポリロタキサンの普遍的合成法の確立
Project/Area Number |
22KF0101
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植村 卓史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50346079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHAND SANTANU 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 水素結合性有機構造 / 高分子 / ロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の環状分子が高分子鎖に貫通した構造を有するポリロタキサンは、その構造に由来したユニークな特性・物性を発現することが知られており、新しいトポロジカル材料として、学術亭にも産業的にも注目されている。しかし、その特異構造の合成の難しさから従来知られているポリロタキサンの種類は極めて限られており、環状分子とは異なるホスト材料を使った合成アプローチの開発が望まれてきた。本研究ではこれまでとは異なる新しいポリロタキサン材料の合成法を開拓する。本年度は、近年、新しいナノ空間材料として注目を浴びている水素結合性有機構造(Hydrogen-bonded Organic Framework: HOF)を構築し、ポリロタキサン状の構造を有するHOF/高分子複合体の合成に向けたアプローチを模索した。 HOFは水素結合を駆動力としてネットワーク上の骨格を組み上げるため、熱的安定性や溶媒中での安定性が比較的低いものが多い。しかし、ピレン骨格を有するテトラカルボン酸は良好な安定性を示すことを明らかにした。このHOFをポリエチレングリコール(PEG)が溶解したクロロホルム溶液に分散し、80℃で加熱することで徐々に溶媒を留去することで、PEGの細孔内への導入を試みた。得られたHOF/PEG複合体のXRD測定からHOF骨格は安定に保たれていることを明らかにした。また、DSC測定より、PEGの融解に由来する吸熱ピークがシフトしていることがわかり、細孔内に高分子が導入されていることが示唆された。
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