2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of visible-light-induced cyclization reactions inside a molecular flask
Project/Area Number |
22KF0104
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 誠 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 卓越教授 (90209065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GENOV GEORGI 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | Self-assembly / Photocyclization / Enamine Terpenoid / Host-guest Photoredox |
Outline of Annual Research Achievements |
中空錯体内における可視光誘起環化反応の前駆体とすべく、直鎖のエナミン基質を合成し、またE/Z選択的な合成方法について検討した。市販の直鎖テルペノイド化合物(アルコールもしくはアルデヒド)からエナミンを導く条件を確立した。更にこれらのエナミンが中空錯体に水溶液中で効果的に包接され、電荷移動吸収に由来する可視光吸収を示すことを明らかにした。この包接錯体は光照射により反応が進行し、いくつかの生成物を与えた。また、中空錯体に包接された状態における特異な配座を環化反応に結びつけるべく、熱的な環化反応を進行しうる基質を合成し、選択的な環化反応を進行させた。包接状態ではオリゴインが孤立空孔内で折りたたまった配座を取ることを単結晶X線構造解析により明らかにした。この包接錯体に対し熱を加えると、選択的な分子内Diels-Alder反応が進行し、環化生成物を与えた。更に、非対称なオリゴインを用いた場合、中空錯体内でのみサイト選択的に反応が進行することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた反応の進行を確認した他、熱的な反応についても今回の手法が適用できることを見出した。この新しく発見された反応は化学反応の基礎的知見としても芳香族化合物の合成手法としても興味深く、当初の予定以上の成果が見出されたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
より汎用的な反応や、重要だとされている合成ターゲットの短段階合成を目標とすべく、基質と条件の最適化を行う。
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