2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of ribosomal proteins in nutritional regulation of translation
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22KF0120
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUMARI ARPNA 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 栄養応答 / 翻訳制御 / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は進化の過程で栄養欠乏に応答する優れた仕組みを進化させており、栄養輸送体遺伝子の発現が翻訳段階で栄養条件に応じて制御されることや、この制御が栄養素の感知機構となっていることを含め、その分子機構が明らかになってきている。本研究は、主要栄養素と翻訳制御の関係を明らかにし、リボソームタンパク質と制御の関係を見出し、将来の新たな作物栄養特性の改善手法の開発に結びつく知見を得ることを目的として進めている。 本年度は昨年度の解析結果に基づき、リボソームタンパク遺伝子の変異株の中で、カルシウム欠乏条件で根の生育が改善する系統についての解析を中心に進めた。当該変異株ではカルシウム欠乏条件で根の伸長が改善する傾向が見られていたが、カルシウム欠乏条件の微妙な違いによってデータの振れが見られたため、野生型と変異型について100個体近くを栽培し個体ごとの根の伸長を測定したところ、統計的な有意差が見られた。さらに、同じ遺伝子に変異を持つ系統を入手し、表現型解析を行ったところ、根の伸長が促進されることが確認された。当該遺伝子の欠損がカルシウム欠乏での根の伸長を促進することが確認された。地上部の生育については根で見られたような違いは見られなかった。また、これ以外の遺伝子の変異株についてもマグネシウム欠乏条件での生育調査などを継続して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異株の解析を進め、カルシウム欠乏での生育を制御する遺伝子を見出しており、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた変異系統や当該遺伝子についての生理的な解析や発言解析を進めていく予定である。また、他の変異株についても解析を継続して進めていく。
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Causes of Carryover |
委託分析費用を計上していたが、条件の再検討を行うなど、サンプル調整に遅れが出たため、解析の実施が行えなかった。この解析は次年度に実施する予定である。
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Research Products
(1 results)