2023 Fiscal Year Annual Research Report
Unveiling the true plasma behaviour around comets by spacecraft charging simulations
Project/Area Number |
22KF0123
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠原 慧 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00550500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERGMAN SOFIA 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 彗星 / プラズマ / 帯電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本共同研究の成果は以下のようにまとめられる.2029年打ち上げ予定の長周期彗星探査ミッションComet Interceptorに向け,彗星プラズマ環境における探査機の表面帯電の評価を数値シミュレーションにより実施した.現時点でミッションの探査対象が不確定であるため,ターゲットとして67P/Churyumov-Gerasimenko彗星(低活動度)と1P/Halley(高活動度)の2種類を設定し,そのそれぞれに対し,探査機のフライバイ速度10km/s(ミッションにおける下限)の場合と70km/s(ミッションの上限)の場合を想定して,彗星核に対して遠方から近距離まで様々なプラズマ領域における帯電を評価した.その結果,以下の知見を得た. ①低速フライバイ(10 km/s)の場合,いずれのプラズマ領域においても帯電は+/- 10V以下の範囲に収まる. ②高速フライバイ(70 km/s)の場合,中性粒子の衝突によって生じる2次電子放出が効き,電位は比較的正になる.特に,diamagnetic cavity内では,電位が10Vを上回りうる. また,低速フライバイではイオンの入射エネルギーが低くなるため,その軌道が大きく乱されうることが定量的に示された.以上の知見なくしては,彗星プラズマの観測データ解析を正しく進めることができない.また,本研究では搭載コンポネントの表面導電性を変化させて帯電の状況をシミュレーションし,その結果を設計にフィードバックしている.それらの意味で本研究は,Comet Interceptorミッションにとって極めて重要な成果を提供したと言える.
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