2023 Fiscal Year Research-status Report
多機能性複合材を活用した畜産系廃棄物の高度嫌気性消化技術開発
Project/Area Number |
22KF0140
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 学 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30598503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALI MANAL 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 嫌気性消化 / バイオガス / 多機能性複合材 / 牛糞 / 代謝物 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度における研究では、畜産系廃棄物由来バイオ炭の金属粒子修飾とその物性解析を行うとともに、畜産系廃棄物を基質とする嫌気性消化系における性能評価試験を実施した。畜産系廃棄物(牛糞)から水熱合成したハイドロ炭(バイオ炭の一種)を、ニッケルフェライト(NiFe2O4)や硫酸第一鉄(FeSO4)、塩化カルシウム(CaCL2)、塩化マンガン(MnCl2)など様々な金属類により修飾した複合材料を合成した。牛糞を基質とする嫌気性消化試験(バッチ式)に複合材料を添加して、メタンガスの生産を調べたところ、上述の複合材料添加系においてガス生産性が向上したが、特に塩化マンガン添加系において最大値(223mL/g-VS)を示し、さらに全有機炭素の除去率は60%に達した。また、電子顕微鏡観察やフーリエ変換赤外分光法、X線回折法を用いた複合材料の物性(表面特性や形態など)に着手し、一部データを取得した。加えて、嫌気性プロセスは生分解可能な有機物やその中間代謝物、難分解性有機物などにより影響を受けると考えられるため、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析(FT-ICR MS)による溶存有機物の組成分析を調べた。嫌気性消化プロセスにおいて、ペプチド化合物は36%から42%に増加し、不飽和脂肪族化合物も22%から33%に増加したことが明らかとなった。一方で、高度不飽和様化合物は29%から14%に大幅に減少した。これにより、嫌気性消化系では、ペプチド化合物(28%-42%)が優勢で、次いで不飽和化合物(14%-35%)、不飽和脂肪族化合物(22%-33%)の順であることが分かった。以上の代謝物変換に関する結果を、今後はバイオガス生成や複合材の影響とあわせて評価していくことが望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたように、畜産系廃棄物由来バイオ炭を金属粒子で修飾するとともに、その物性分析を実施した(一部データを取得済み)。さらに、牛糞を基質とする嫌気性消化系を構築して、複合材料がバイオガス生産に及ぼす影響評価を実施したことから、おおむね予定通りに進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、嫌気性試験結果と物性分析をもとにした複合材の多機能性評価とともに、各嫌気性消化系における代謝物変換過程を代謝経路解析や微生物分析等を通して調べる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由について、研究費の使用に際し、残高として端数「18円」が生じたため。使用計画については、翌年度分の助成金と合算して使用する。
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