2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of geochronological techniques to assess the danger of Quaternary volcanic eruptions
Project/Area Number |
22F22330
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷部 徳子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (60272944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARSDEN RUBY 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | 第四紀火山 / U・Th/He年代測定 / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地質学的に若い(<100万年)火山の年代測定法の開発,およびその手法による日本の火山の年代決定を行うことを目的としている。今年度は主としてU・Th/He年代測定を高度化することを目的とし,U・Thの3次元的な分布に基づくガスの散逸過程を数値化するためのコンピュータープログラムの作成に従事した。U・Thの3次元的濃度分布の測定法についても吟味を行い,試料をマイクロメートル単位でスライスするマイクロトーム活用の可能性について調査した。来日当初は冬に向かうため野外活動の予定を入れていなかったが,10月に来日後しばらく気候が良かったため,11月に北海道に試料採集に行き,尻別火山および洞爺テフラの調査および試料採集を行なった。洞爺テフラから分離したジルコンは標準試料としても活用できる可能性がある。これらの活動には電力中央研究所に所属する共同研究者も同行し,今後の研究計画の議論も行なった。12月には同研究所を訪問し,実験施設の見学を行い,さらに具体的な研究の進め方を相談した。またオーストラリアにおけるU・Th/He年代測定の実施のため,採集した試料を鉱物分離に処し,これらの試料を持って実験室を訪問をし,試料封入のためのニオブチューブの購入や装置利用にあたって必要な試料条件などを確認し,分析の準備を行なった。 成果報告や日本人研究者とのネットワーク構築の一環として,日本の年代学関連研究会で発表を行い,日本年代学関係者とのネットワークの拡大に努めた。オーストラリアの研究室訪問中には,セミナーに参加し,研究紹介や講義を行なった。また2023年度に開催される地球惑星科学連合の学会,および国際熱年代学会議における発表を目指し,要旨の投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた数値モデルの構築及びプログラム作成は順調に進行し,当初予定にはなかった北海道の試料採取も行うことができた。また予定通り電力中央研究所の共同研究者との議論を重ねることができた。以上より概ね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象となる日本の火山の試料採集を行い,分析対象のジルコンを分離する。また三次元U・Th濃度測定法の吟味を進め,マイクロトームの活用の可能性をテストするともに,実際の分析をLA-ICPMS およびTOF-SIMSに利用を視野に入れて実施する。オーストラリアにおけるHe同位体の分析を実施する。地球惑星科学連合では研究成果の発表を行い火山学者とのネットワーク形成を目指すとともに,国際熱年代学会議に出席し研究発表を行い作成するプログラムやその元となっているコンセプトについて年代測定の専門家と議論する。
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Remarks |
ニュースレターにて新規外国人特別研究員を紹介 https://www.ki-net.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/12/NLno20.pdf
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Research Products
(4 results)