2023 Fiscal Year Research-status Report
持続型社会基盤構造物に向けたFRP構造ボルト接合部のための新手法に関する研究
Project/Area Number |
22KF0173
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松本 幸大 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 教授 (00435447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAN NHUT 豊橋技術科学大学, 建築・都市システム学系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | FRP / ボルト接合 / 接合部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は軽量で高強度・耐久性に優れる繊維強化樹脂材料を建設構造物に応用するために必要となる接合法とその設計法を対象に,(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験と数値解析,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験と数値解析を通して,力学挙動の分析を行うとともに設計法の提案を行うものである。 2023年度において,(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験を実施した。(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験では,柱材に箱形断面GFRP材,梁材に背中合わせ溝形断面GFRP材を用い,実際のGFRP構造物を想定した接合部の正負交番繰返し挙動を分析した。接合部には,研究者らが提案しているボルト接合部周辺への薄肉多軸基材を用いることで,接合部耐力や変形能力の改善効果を分析した。(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験では,背中合わせ溝形断面GFRP材を用い,また継手ボルト接合部周辺には柱梁接合部と同様に薄肉多軸基材を用いて力学挙動の分析を進めた。両接合条件による力学試験において,薄肉多軸基材の効果は顕著に観察されたことから,生産性に優れる引抜成形部材を主構造部材とし,接合部には薄肉多軸基材を用いる構造形式の有効性を実証することかできた。 さらに,研究期間中に新たに考案された,連続繊維(ガラスロービング)を使用した新たな繊維配向を有する薄肉基材を考案することができ,その効果についても検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は軽量で高強度・耐久性に優れる繊維強化樹脂材料を建設構造物に応用するために必要となる接合法とその設計法を対象に,(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験と数値解析,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験と数値解析と,それらの成果を総合した設計法の提案を予定している。 2023年度は,(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験を完了することができ,力学実験は概ね終了した。(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験では,薄肉多軸基材の有無やボルト間隔を変数として約10種の接合条件を設定し,正負交番繰返し実験を行うことで,薄肉多軸基材の効果や寸法による力学挙動の変化を分析した。(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験においても同様に,薄肉多軸基材の有無やボルト間隔を変数として約10種の試験を行い,挙動の分析を行った。これらの成果は,今後,設計法に反映させるための実験的成果に繋げる。 並行して,薄肉多軸基材のボルト接合耐力への基本的な分析として,「Strengthening of glass fiber sheets for multi-bolted pultruded GFRP connections: effects of connection type and bolt-tightening force」と題した論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の3項目について研究を進める。 【1】これまでに実施してきた(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験を踏まえて,これらの数値解析モデルの構築とパラメトリックスタディを進め,実験では設定できなかった接合条件についても評価を行うとともに,大変形状態を含めた数値解析モデルの構築法について検討を進める。 【2】実験データ・数値解析結果を総合し,繊維強化樹脂材料のボルト接合部周辺に薄肉多軸基材を使用した接合部の設計の構築を進める。 【3】新たに考案した,連続繊維(ガラスロービング)を使用した環状繊維配向を有する薄肉基材によるボルト接合部周辺への補強効果について,その効果について実験検討を行う。 さらに,現在投稿中の論文が掲載された後,(1)柱梁接合部の正負交番繰り返し載荷実験,(2)梁部材継手接合部の曲げ載荷実験についても,それぞれ論文として纏め投稿を行う予定である。
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