2022 Fiscal Year Annual Research Report
tidal effects on white dwarf binaries
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21F21017
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬戸 直樹 京都大学, 理学研究科, 助教 (80462191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MCNEILL LUCY 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-09-28 – 2024-03-31
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Keywords | 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
LISAバンドにおいては、検出された連星全体の周波数分布に、連星の生成・進化過程の情報が含まれていると期待されます。私たちは、観測データからこれらの情報をどのように引き出すかを検討しました。連星中性子星の周波数・離心率進化は、重力波放出のみによって理論的に高精度で予言できるため、生成過程の情報のみを効率的に取り出すことが可能だと考えられます。この点を考慮して、今年度は予備的な研究を含め、連星中性子星に的を絞って情報抽出の問題を検討しました。私たちは、この問題を解析するためにコルモゴロフ・スミルノフ検定が有効であることを示しました。また、LISAバンド内で連星中性子星形成を有意に確認するためには、どの程度の検出数が必要になるかを見積もりました。今回提案した方法は、粗く言うと周波数方向への射影ですが、離心率方向にも同様な射影を行うことが可能で、相補的な解析手法になることも指摘しました。 白色矮星連星に関しては、重力波の観測データから連星合体の情報がどのように特定できるかを検討しました。特に、合体前の強い潮汐相互作用により、波形が複雑になる可能性があります。単純な規則的なテンプレートは、マッチドフィルタリング解析では不十分になる可能性があるため、現象論的な拡張をどの程度広げる必要があるかを慎重に検討しました。また、LISA、Taiji、TianQinなどの宇宙干渉計の重力波データから合体時刻等が、どのような精度、タイミングで推定することができるかも評価しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個々の連星ではなく、多数の連星の集団を効率的に解析する枠組みを提案できたことは大きな成果です。この新しい枠組みは汎用性も高く、連星中性子星だけでなく、連星白色矮星に対しても適用可能です。
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Strategy for Future Research Activity |
連星白色矮星の集団に対しても新しい解析方法を適用します。特に、連星白色矮星の生成過程と潮汐相互作用による周波数進化の情報がどの程度効率的に分離できるかを明らかにする方針です。
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