2021 Fiscal Year Annual Research Report
鉄触媒を担持したナノダイヤモンドによるフェントン反応を利用した抗腫瘍製剤の開発
Project/Area Number |
21F21705
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN XIAOXIAO 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-07-28 – 2024-03-31
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Keywords | 鉄 / ポリグリセロール / 光温熱効果 / ナノ粒子 / 酸化鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、フェントン反応を誘起する鉄(Fe(II))触媒をナノダイヤモンド(ND)表面上に担持したナノドラッグの近赤外光照射下でのがん細胞殺傷能や in vivo での腫瘍増殖抑制効果を評価する予定であったが、ポリグリセロール(PG)で被覆した ND 表面に DTPA 配位子を固定化し、そこに鉄イオンを担持したところ、分散性の大きな低下が見られた。この問題が解決できなかったため、方針を転換し、超磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)を PG で修飾した SPION-PG を合成し、癌増殖抑制作用を in vitro, in vivo 両面から評価することとした。まず、in vitro での評価において、特に細胞増殖抑制効果は見られなかったため、光照射下や磁場中での温熱効果について検討を行ったところ、どちらも優れた効果が見られた。現在、ナノ粒子中の鉄分の定量や熱重量分析電子顕微鏡分析、さらには、細胞毒性の評価を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鉄イオンからナノ粒子に材料が変わり、フェントン反応から温熱効果に変わったものの、癌治療という目標に対しては、順調に進行しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、細胞毒性について検討した後、担癌マウスを用いた実験により、癌増殖抑制効果について、検討を行う。
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