2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation energy-storage/conversion devices
Project/Area Number |
22KF0195
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 教授 (50314240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG HAOCONG 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 強誘電体 |
Outline of Annual Research Achievements |
BaTiO3やPb(Zr,Ti)O3などに代表されるペロブスカイト酸化物強誘電体は直接型強誘電体であり,電気分極そのものが常誘電-強誘電相転移の主秩序変数となる.一方で,ペロブスカイト関連層状酸化物では,2種類の非極性構造歪み (結晶学的軸周りの酸素八面体の回転と傾斜) に伴って電気分極が従属的に生じる場合がある.このとき,強誘電相転移を駆動する主秩序変数は酸素八面体の回転と傾斜に関するパラメーターであり,電気分極は従秩序変数となる.このタイプの強誘電体はハイブリッド間接型強誘電体と呼ばれる.本研究では,「物質合成-第一原理計算-構造解析-分光・物性測定」の有機的連携に基づいて,新規ハイブリッド間接型強誘電体を開拓するとともに,このタイプの強誘電体に特有の機能を創出する. 令和5年度は,遷移金属がBサイトを占有したペロブスカイト関連層状酸化物に焦点を当て,新規間接型強誘電体の開発を目指した.具体的には,候補物質の多結晶体を合成し,中性子回折や透過型電子顕微鏡観察を駆使して精密構造を決定するとともに,分極反転などの強誘電性を評価した.当該の層状ペロブスカイト酸化物を通常の固相反応法で合成したとき、主相以外に多くの不純物相が生成したが,液相プロセスにより作製した前駆体を原料粉末として用いることで,不純物相が低減された.この液相プロセスを用いた合成手法により,いくつかの組成において新規強誘電相が得られることもわかった. 研究期間全体を通して,極性化合物や強誘電体をいくつか見出したことは大きな成果であり,このことはハイブリッド間接型強誘電体の種類の拡張や機能の創出につながると期待される.
|