2022 Fiscal Year Annual Research Report
AI assisted analyses on the structural and mechanical optimization of wood materials
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22F22085
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 淳司 京都大学, 農学研究科, 教授 (40183842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN SHUOYE 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞構造 / セル構造体 / 構造解析 / コンピュータービジョン / トラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
深層学習ベースのセマンティックセグメンテーションアプローチ(U-Net)を用いて,微小3点曲げ試験中のひのき材断面内における細胞一つ一つの形態的特徴を時系列に計測して解析した。すなわち、Crocker-Grier連結アルゴリズムを用いて, 試験下の木材サンプルをビデオ撮影し、全細胞の抽出に成功し,面積,離心率,適合楕円の縦横比,バウンディングボックスの縦横比などの形態パラメータを用いてセル構造の変形を評価することができた。こうして、変形の分布と動態を2次元で可視化して明らかにした。柾目,板目,追い柾の各試料を分析した結果,放射組織と板面のなす角度が木材の横断方向の曲げ挙動に影響を与えることが確認された。柾目試験片は,弾性係数(MOE)および破断係数(MOR)が最も大きかった。また,3種類の試験片とも,破壊の発生確率は,細胞の変形が大きい試験片の引張部において高かった。このように,提案した方法は,木材試験片の破壊予測に適応できることがわかった。以上の成果を取りまとめ、Holzforschung誌から公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
木材の断面の実体顕微鏡画像の機械学習により、その材料の弾性係数(MOE)および破断係数(MOR)を予測することに取り組んでいる。 試験片の断面ステレオグラムから求まる解剖学的特徴をもとに、CNNに学習させることで、かなり精度の良い物性予測の可能性が示唆されている。また、アテンションマップを持ちいて、ネットワークの関心領域を解析したところ、MOEとMORの予測において、晩材と早材の移行領域の高度に活性化されることがわかった。これらの結果は,木材の解剖学的特徴と力学的特性の関係について,新たな知見を与えるものであり、論文に取りまとめて公表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記研究成果を取りまとめて、国際誌に投稿する。さらに、新たに構築した針葉樹材の光学顕微鏡画像データベースをもとに、コンピュータビジョンにより形態情報を定量化することにより、国産材18種の樹種特性に関する研究を推進する予定である。
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