2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22F22412
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 理 京都大学, 医学研究科, 教授 (10379092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHONG YEE KIEN 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2024-03-31
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Keywords | RNA分解酵素 / 細胞傷害性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、N4BP1たんぱく質がKHドメインとRNA分解酵素領域を持ち、HIV-1のRNAを分解することでウイルス感染制御に寄与することを報告してきた。本研究では、N4BP1の免疫細胞における役割を解析することを目的とした。まず、N4BP1欠損マウス由来のT細胞は加齢とともにエフェクタ―細胞が増加することが明らかとなった。CD4、CD8陽性T細胞ともに、エフェクタ―細胞の割合が増加したが、特にCD8陽性T細胞でその変化が顕著であった。また、N4BP1欠損マウスより脾臓、およびリンパ節からT細胞を単離した後のIn vitro解析で、N4BP1欠損CD8陽性T細胞の抗原刺激に対する増殖を細胞をCFSEで染色しその希釈をFACS解析により検討したところ、N4BP1欠損CD8陽性T細胞では、増殖が亢進することが明らかとなった。また、PMA刺激後のT細胞のインターフェロンγやグランザイムBの産生を細胞内染色とFACS解析により検討したところ、N4BP1欠損細胞では野生型に比べ亢進していた。また、MC38やB16などのがんを移植した際のがん免疫応答もN4BP1欠損マウスで亢進していた。野生型とN4BP1欠損CD8陽性T細胞のTranscriptome解析を行ったところ、Ly6c2など一連の遺伝子発現が亢進していることが明らかとなった。しかし、NFkB標的遺伝子には変化を認めなかった。また、N4BP1が核内に局在し、細胞質とShuttleしていることや、BioID法による結合分子の同定に成功した。今後、N4BP1により直接制御される遺伝子の解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、N4BP1欠損マウスとマウス由来T細胞を用いた解析から、In vivo, In vitroでN4BP1のT細胞活性化制御や、がん免疫応答における役割を明らかにしてきた。また、N4BP1により制御される遺伝子発現解析、N4BP1の局在解析や、結合分子の同定なども順調に進展している。本研究に関する発表は2022年日本免疫学会学術集会において、ベストプレゼンテーション賞を受賞した。このような理由から本研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
N4BP1によるT細胞制御機構をIn vitro, In vivoの観点から継続して解析していく。In vivoでは、Competitive骨髄移植実験などにより細胞機能を解析していく。また、OT-I TCRトランスジェニックマウスとN4BP1欠損マウスを掛け合わせ、OVA発現腫瘍に対するがん免疫応答を検討する。また、In vitro解析では、Transcriptome解析で明らかとなったN4BP1欠損により発現の変化するRNAに関してN4BP1により直接制御される可能性を、レポーターアッセイなどにより解析する。
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Research Products
(1 results)