2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KF0226
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 理 京都大学, 医学研究科, 教授 (10379092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHONG YEE KIEN 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫応答 / RNA分解 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、T細胞の活性化を抑制する転写後制御因子を欠損するマウスにおいてT細胞が活性化、抗腫瘍免疫が亢進する現象を利用して、抗腫瘍免疫の転写後制御機構を解析するものである。マウスに腫瘍を移植後、腫瘍に浸潤した転写後制御因子欠損T細胞、および野生型T細胞を単離し、Transcriptome解析を行うと、インターフェロンγやグランザイム遺伝子の発現亢進に加え、インターフェロン誘導遺伝子の発現も亢進する事が明らかとなった。また、インターフェロン誘導遺伝子の発現亢進と一致して、この欠損マウスでは、腫瘍移植前からLy6C発現ナイーブCD8 T細胞の割合が欠損マウスで増加しており、この制御因子はナイーブCD8 T細胞においてその定常状態での活性化準備を調節する役割を果たしていると考えられる。そのメカニズムをさらに探るため、Transcriptome解析結果をリピート配列に着目して検討すると、リピート配列のうちのいくつかの発現が著明に更新していることが明らかとなった。このリピート配列と制御分子を細胞に共発現すると、リピート配列の発現が抑制され、直接の制御が考えられた。さらに、この制御分子は、複数のタンパク質ドメインより成り立っているが、このリピート配列の制御には、中でもRNA分解酵素活性が重要である事が、リピート配列及びこの制御分子のRNA分解酵素活性を失った変異体の強制発現により明らかとなってきた。したがって、この制御分子は、リピート配列より発現するRNAを分解することによりT細胞の制御に寄与していることが示唆された。
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