2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Phonology and Lexicon of Ryūkyūan Languages Based Upon Western and Missionary Works
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21F21303
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 恵実 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50324877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ORLANDI GIORGIO 大阪大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-09-28 – 2024-03-31
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Keywords | 琉球語 / 宣教に伴う言語学 / 琉球諸語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は半年の研究期間で以下のことを行った。(2)の成果は2022年度中に論文にまとめる。 (1)先行研究の分析 近年国内外で行われている琉球諸語および「宣教に伴う言語学(Missionary Linguistics)」の研究を収集、分析し、本研究との差異を明らかにした。すなわち、19世紀までの西洋人による琉球語研究は数多くあるものの、総括的な整理・分類はなされておらず、各人の根拠や影響関係の追究もほぼなされていなかったことが確認された。 (2)19世紀までの西洋人による琉球語研究の分析とデータベース化 16世紀後半より琉球語に関する観察は散見されるが、まとまった観察は18世紀後半まで待たねばならない。1895年に発表されたB.H.チェンバレンの論文は、言語学的手法により琉球語を日本語と同系統とみなし、その後の琉球語研究を方向づける画期的なものとなったが、それ以前の18~19世紀の間にも、宣教師や軍人、東洋学者など少なからぬ人々が琉球語の系統に言及している。日本人を含め、この時期の諸説を分析しデータベース化した結果、(a)中国語を祖語とする、(b)日本語と同一とする、(c)日本語の一方言とする、(d)孤立言語とする、の四つに分類された。(c)と考えた者が多いがその根拠はさまざまであり、相互の影響関係も明らかではない。チェンバレン以前の西洋人の琉球語観察の実態をさらに明らかにすることが今後の課題である。 (3)最新の研究情報の収集 日本語学会秋季大会やキリシタン語学研究会に参加し、日本語史学・宣教に伴う言語学の最新の動向の情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
琉球語に関する数多くの資料、先行研究の分析を、ほぼ予定通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降、中心とする資料または論点をいくつかに絞って進める。
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Research Products
(2 results)